古川 清文 議員 <平成30年 第5回定例会/12月12日 一般質問>

ふるさと納税について、福岡、博多の伝統工芸継承支援について、福岡の英語教育について、以上3点質問してまいります 。
私は公明党福岡市議団を代表して、ふるさと納税について、福岡、博多の伝統工芸継承支援について、福岡の英語教育について、以上3点質問してまいります。
 初めに、ふるさと納税について伺います。
 ふるさと納税は、駆け込み需要とも呼ばれるこの12月、全国的に非常に多くなっていると聞いています。先週はふるさと納税のにせサイトが発見され、県内でも被害者が出たとの報道で、市民の関心も高いのではないかと思います。
 ふるさと納税については、福岡市議会でも多くの議員から一般質問や常任委員会で質疑が行われてきたところであります。ことしはふるさと納税のインターネットサイトのCMが流れるなど、多くの関心を集めた一方で、ふるさと納税の返礼品調達費が寄附額の30%を超える過度な返礼品競争が全国的にも話題となりました。
 総務省は自治体に対し過度な返礼品の見直しを要請し、それに応じる自治体、応じない自治体、様子見をする自治体など対応はさまざまであり、国の動向と名指しで公開された自治体の動向が注目されています。
 そこで、改めてふるさと納税について伺ってまいります。
 そもそも、ふるさと納税とは何でしょうか。その目的をお伺いいたします。
 以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) ふるさと納税の目的につきましては、自分の生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域やこれから応援したい地域の力になりたいという思いを実現し、ふるさとへ貢献するための制度として平成20年度に創設されたものでございます。また、その内容といたしましては、道府県、市区町村に対して寄附をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分について一定の上限まで、原則として所得税と住民税から全額が控除される仕組みとなっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 福岡市のふくおか応援寄付とふるさと納税の違いがあればお示しください。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) ふくおか応援寄付につきましては、ふるさと納税制度の適用を受ける個人からの寄附に加え、団体、企業等も含め、福岡市を応援していただきたいという趣旨で、ふくおか応援寄付という名称を用いて広く寄附を募集しているものでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) ふるさと納税は全国的に利用が拡大しているようですが、状況をお伺いいたします。また、なぜ拡大したのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) まず、ふるさと納税の全国の受け入れ額といたしましては、制度が創設された平成20年度には約81億円で、その後、約100億円程度で推移しておりましたところ、この3年間で大幅に増加しており、平成27年度が約1,635億円、平成28年度が約2,844億円、平成29年度が約3,635億円となっております。
 次に、ふるさと納税受け入れ額が増加している要因といたしましては、平成27年から寄附金控除額の上限の引き上げや、控除を受ける際に確定申告が不要となるふるさと納税ワンストップ特例制度の創設など、ふるさと納税がより身近になるような制度変更が行われたことが挙げられます。
 加えまして、寄附者に対する返礼品の充実に取り組む団体が増加するとともに、各地の返礼品の検索から寄附手続までを手軽に行えるインターネットサイトが普及したことなどにより、簡単に寄附を行うことができるようになったことが考えられます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) それでは、福岡市への個人からの寄附件数、また受け入れ額は幾らだったのか、過去5年間の実績をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 福岡市への個人からの寄附であるふるさと納税の件数及び受け入れ額の実績につきましては、平成25年度が1,065件で約3,400万円、26年度が993件で約3,781万円、27年度が956件で約4,688万円、28年度が851件で約9,203万円、29年度が985件で約4,924万円となっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 直近の受け入れ額は29年度で約4,924万円とのことでありましたが、同年度のふるさと納税の受け入れ額の全国トップは大阪泉佐野市で135億円と聞きました。全国受け入れ額上位5団体の名称と受け入れ額を伺うとともに、どうして本市とこのように大きな差があるのか、その要因について伺います。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) まず、平成29年度のふるさと納税額の受け入れ額が多い団体と金額につきましては、額の多い順に申し上げますと、大阪府泉佐野市が約135億円、宮崎県都農町が約79億円、宮崎県都城市が約75億円、佐賀県みやき町が約72億円、佐賀県上峰町が約67億円でございます。
 次に、多くの寄附が寄せられている要因でございますが、本年9月に総務省が発表した調査結果によりますと、これらの団体は、いずれも寄附額に対し3割を超える返礼品を送付している団体とされておりまして、家電製品や高級食材など高価な返礼品を送付していることが一つの要因ではないかと考えられます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 自治体の返礼品競争が問題化しているようですが、国においてどのような対応がとられているのか、これまでの状況についてお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 国における対応につきましては、返礼品に関する地方団体間の競争の過熱や一部ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品の送付などの状況は、制度全体に対する国民の信頼を損ない、他の地方団体にも好ましくない影響を及ぼすことが懸念されるとして、返礼品の割合の上限を3割以下とすること、金銭類似性の高いものや資産性の高いものを返礼品としないことなどを求めた通知が平成29年4月に総務大臣から出されております。
 また、平成30年4月には、地域資源を活用し、地域の活性化を図ることもふるさと納税の重要な役割であることを踏まえ、返礼品については、地方団体の区域内で生産されたものや提供されるサービスであることが適切であることもあわせて通知されたところであります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 国が自治体に対しさらに見直しを要請したものの、返礼品の見直しを行った自治体と行わなかった自治体があり、大きな差が開いたと聞きます。不公平だとの不満も残りますが、このことに関し、本市の考えと総務省の考えをお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 福岡市におきましては、ふるさと納税の現状が制度本来の趣旨とかけ離れたものとなっていることや、都市部において税収減になっていることについて、指定都市間で問題意識を共有しておりまして、指定都市市長会から国に対しまして、ふるさと納税が地方団体の財政に与える影響を抑制するための見直しを要望しております。
 また、総務省におきましても、一部の団体において返礼品の見直しが進まない状況を踏まえまして、これらの団体をふるさと納税制度の対象外とする方向で、法改正も含めた検討が行われていると聞き及んでいるところでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) ふるさと納税の魅力の一つに、寄附額から所得税、住民税が控除されることが挙げられます。福岡市民がふるさと納税を利用することによって、本来市に入るべき税収が控除され、失った額は平成30年度では幾らか、お伺いをいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 福岡市に入るべき税収から控除されたふるさと納税に係る寄附金控除額につきましては、平成30年度で約29億9,000万円でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) ふるさと納税による平成30年度の減収額は、横浜市は約104億円、それから川崎市は約42億円とも聞いております。大都市にとって不利な制度になっていると思いますが、本市の事実確認をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 済みません。先ほど3番目の答えを、私、間違えて答弁いたしておりました。ふるさと納税の全国の受け入れ額でございましたが、平成27年度が約1,653億円、平成29年度が約3,653億円となっております。申しわけございません。訂正させていただきます。
 今の問いでございますが、答弁をさせていただきます。
 ふるさと納税は、自分の生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域やこれから応援したい地域の力になりたいという思いを実現し、ふるさとへ貢献するための制度であり、都市部の住民によるふるさとを初めとした地方への寄附が想定されているものでございます。また、福岡市の都市活力は九州各地からの広域的な人の流れに支えられていること、減収分については地方交付税制度により一定の補?がなされることなどを勘案すると、ふるさと納税により大都市にある程度の影響が生じることはやむを得ないものと認識をいたしております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 私も今、事実認識と聞くところを、事実確認と申し上げました。修正します。
 それから、福岡市の場合、ふるさと納税での税収が4,900万円、失っている税額が29億9,000万円と伺いました。ふるさと納税による個人市民税の減収額の4分の3相当額は地方交付税の算定上、基準財政収入額が減少し、地方交付税等の増額要素となっていますが、それでもこれだけの財源があれば市民が要望する施策も実現するのかもしれません。
 過度な返礼品競争には本市は加わらず、真面目にルールを遵守してきたとの気持ちもわかりますが、ルール内での返礼品の見直し、追加や福岡のふるさと納税の魅力を高め、受け入れ額をふやす戦略も必要ではないかと思います。
 寄附をする側の立場に立って考えてみますと、節税対策にもなるし、ネットショッピングや通信販売の感覚で、欲しいものがあるかによって自治体を選ぶ感覚は、魅力ある返礼品を用意しているか、自治体の努力次第という気持ちもわからないでもありません。
 福岡市の返礼品の品数と、どのようなものがあるのか、また、どのようなものが喜ばれているのか、さらに本市の返礼品選定の基準などをお聞かせください。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 福岡市における返礼品につきましては、福岡市内産の農水産加工品を中心に13品目をそろえており、平成29年度に希望が多かった返礼品につきましては、唐泊恵比須かき、博多米、志賀島産イチゴジャムなどでございます。
 また、返礼品の選定に当たりましては、寄附者が一度きりではなく継続的に寄附を行う動機づけとなることや、農水産品のブランド化等の観点から、農林水産局等と協議を行った上で決定いたしております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 私は以前、食品メーカーの営業の仕事をしていたことがあるので思うのですが、自社の製品が福岡市のふるさと納税の返礼品として取り扱われるようになることは、商品の知名度も上がり、その影響は大きくて魅力的であります。現在そのような売り込みはないのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 近年の返礼品に対する注目の高まりを受けまして、福岡市におきましても、市内外を問わず、複数の事業者から食品などの自社製品を返礼品として採用できないかという提案をいただいております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 福岡といえばラーメンやうどん、また、もつ鍋や辛子めんたいこといった全国でも有名な特産品もありますが、全国的にまだまだ知られていない商品や生産者が売り込みたい商品もたくさんあるはずです。
 また、食材に限らず、博多の伝統工芸品やお土産に喜ばれる文化芸術品もあります。どの業者の商品を選定するのか、返礼品にふさわしい価格帯で提供できるかなどさまざまな課題はあると思いますが、福岡市の産業を全国にPRできることは大きなチャンスと感じます。
 全国で返礼品競争となっているふるさと納税制度の中で、ルールの範囲内で福岡市を選んでもらう自治体PR競争に積極的に参入しないのはもったいないと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 返礼品につきましては、大都市でありながら全国に誇る農水産品が多いという福岡市の魅力を知っていただきたいという思いで選定しているところでございますが、議員御指摘のように、返礼品を通じて福岡市の多様な魅力や取り組みを全国の方々に積極的にPRしていくという観点は重要なものだと考えております。
 今後、このような視点も踏まえまして、関係局と十分に連携を図りながら、返礼品のあり方について検討を進めてまいります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 先日、新潟市を訪れ、返礼品の魅力を高める取り組みを伺ってまいりました。
 新潟市では、市の魅力発信を図るため、これまでの市が取り扱っていた農産物関連商品に加え、新たに返礼品を公募により選定、従来の23品目から106品目に拡大しました。寄附額に対して返礼品の価格ランクを5つに区分し、市内に本店や支店、営業所、また工場を有する法人、その他の団体並びに個人事業主であることなどの要件を満たす事業者であれば、1事業者当たり3品目を限度として応募が可能であります。それを選考委員会による審査が行われます。
 採用されるメリットとして、ふるさと納税専用のインターネットサイトや市が作成するふるさと納税のパンフレットに商品の画像や商品名、会社名が掲載され、返礼品の発送の際は事業者のパンフレットやチラシなどを同封できるなど、事業者側にも魅力ある制度になっています。
 問題なのは、担当職員の業務がふえることであります。寄附者からの寄附確認、寄附金受領書の発行手続、事業所への返礼品の発送依頼など業務はたくさんあります。どの自治体でもそうであるように、職員がふるさと納税の対応だけにかかわることは困難であります。そのような背景から、ふるさと納税にかかわる業務を委託する自治体も多いようであります。調査をしましたら、政令指定都市20市中8自治体が業務委託、中核市でも調査した54市のうち37市が業務委託による運営を行っています。
 改めて伺いますが、返礼品選定に当たっては公募という手法をとってはどうか、また、ふるさと納税にかかわる返礼品発送指示業務や寄附金受領証明書の発行など、事務作業を業務委託するということを検討してはどうかと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 返礼品の選定につきましては、公正な選定が重要と認識しております。このような観点も十分に踏まえまして、ただいま議員から御紹介いただいた公募の方法など、選定のあり方を関係局とともに検討してまいります。
 また、返礼品の発送などの事務作業につきましても、他団体の取り組み状況を調査し、業務の効率化を図ってまいります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) さて、これまで福岡市ではふくおか応援寄付として、各部局が主導のもと、目的に応じて寄附をお願いする取り組みも行ってこられました。こども病院の移転整備に伴い整備されたふくおかハウスの建設基金や福岡城整備基金などが記憶に新しいところであります。
 これまで本市における目的別寄附事業の中で、寄附者の共感を得、寄附が多くの方から集まった事例は何か、また、寄附者の動機などがわかればお示しください。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) ふくおか応援寄付のメニューのうち、これまで最も多くの寄附をいただいたものは、こども病院の入院時に付き添う家族のための宿泊施設であるふくおかハウス建設募金で、1,169件、約1億5,152万円の寄附をいただいております。
 また、過去3年間におきまして寄附件数が多かった事業といたしましては、動物愛護事業が1,155件で約2,360万円、福岡城整備基金が637件で約3,229万円でございます。
 これらの事業につきましては、寄附者から返礼品は不要という申し出や福岡市の取り組みを激励するメッセージを多数いただくなど、事業に対する共感、賛同が寄附への大きな動機づけになっているものと考えております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) また、全国的にも地域に役立つ使い道を模索する動きもあり、クラウドファンディング型の寄附も広まっていると伺いました。どのようなものがあるか、把握しているならお示しください。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) 他団体におきましては、寄附金の目標額や期限を設定して募集を行うクラウドファンディングの手法を活用し、美術館の建設や難病治療の研究支援、廃校のリノベーションなどについて幅広く寄附を募集した事例がございます。また、国におきましても、それぞれの地域において経済を再生させ、人、もの、仕事の好循環を生み出していくため、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用して、起業家支援や移住交流促進に取り組む地方団体に対し財政支援を行っているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 寄附をする人の目的は、ショッピング感覚で欲しいものをセレクトできる自治体を選ぶ方、また、自治体の事業を純粋に応援し返礼や見返りを求めない方、また、ふるさとの事業を応援しつつ、返礼品もあればいいなと思う人などさまざまであります。
 しかし、自分の生まれた故郷はもちろん、お世話になった地域やこれから応援したい地域の力になりたいという思いを実現し、ふるさとへ貢献するための制度が、ふるさと納税の目的と冒頭にお示しいただきました。そこに立ち返るならば、例えば、郵便局が取り組んでいるふるさとで暮らす父母の見守りサービスや、シルバー人材センターやNPOが取り組んでいる空き家になってしまった実家の管理見回りサービス、また、お墓の除草や掃除を依頼できる事業など、返礼品に加えてセットすれば継続した寄附も期待できるのではないかと思います。
 個人、ふるさとの家族の悩みでもあり、今後の社会問題とも言える課題に手を打つ返礼事業も積極的に実施していくべきと思います。行政各局が積極的に事業を提案しPRしていくことを求めますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 則松財政局長。
○財政局長(則松和哉) ふるさと納税につきましては、議員御指摘のとおり、地方団体がそれぞれの地域社会の課題に対応した施策を実現していく上でも大きな役割を果たすことが期待できるものと考えております。
 このような観点から、福岡市における地域課題やニーズ等を踏まえ、ふるさと納税のメニューにサービスの提供をつけ加えることについて、他団体の取り組みを参考にしながら、関係局と検討してまいります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) この先、過度な返礼品としての自治体競争の不平等が是正されないのであれば、この制度自体の意義が崩壊するおそれもあり、それぞれの自治体が真剣に再考するときが今まさに到来していると思えてなりません。
 ルールを守り、寄附という本来の趣旨を根本にしつつ、寄附金の活用事業の内容をさらに充実させていくべきであり、いただいた寄附金が市政にどのように反映されたかなどの報告もきちんと公表され、寄附していただいた方々の思いに真剣に応えていきながら継続していくべきものと感じます。
 さきにも述べたように、ふるさと納税の返礼品においては、福岡の食材や特産物、伝統工芸品など福岡市の産業や文化、魅力を大きくPRするチャンスであります。今回の全国的なふるさと納税の議論は、よりよい福岡版のふるさと納税を再構築するきっかけとなります。ふるさと納税の今後の取り組みについて高島市長の考えをお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(石田正明) 高島市長。
○市長(高島宗一郎) ふるさと納税につきましては、自治体が国民に取り組みをアピールすることで、選んでもらうにふさわしい地域のあり方を考えるという意義を持つものでありまして、今後、それぞれの取り組みによって応援したい自治体が選択されるような制度になっていくことが望ましいと考えています。
 福岡市を応援したいという善意にお応えをしていくためにも、返礼品を活用して福岡市の多様な魅力をアピールしていくことも含めて、議員から御提案いただいたさまざまな工夫を検討して、より多くの方々から福岡市の施策や事業に共感や、また賛同をいただけますように、ふくおか応援寄付の推進にしっかりと取り組んでいきたいと考えます。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 次に、福岡、博多の伝統工芸継承支援について伺います。
 本年は博多織777周年記念事業として、さまざまなイベントが実施されました。どのような取り組みだったのか、また成果はどうだったのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 博多織777周年記念事業の取り組み内容と成果についてでございますが、取り組み内容につきましては、着物ファン向けのイベントの開催やPR動画制作、若者に人気の高いブランドとのコラボレーションによる商品開発などの初めての取り組みにより、認知度向上と販路拡大を図っております。
 その成果といたしましては、毎年開催している博多織求評会等のイベントでは、例年4,000人余りの方に御来場いただいておりますが、今年度は新たな取り組みにより、既に5,000人以上の方に御来場をいただいております。
 また、販売額につきましても、例年のイベントに加え、新たにモニター販売会の開催やKOUGEI EXPOへの出展等で例年の3倍以上の売り上げとなっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 福岡、博多にゆかりのある伝統工芸品には国指定のものと県指定のものがありますが、それぞれどのようなものがあり、指定される要件はどうなっているのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡、博多ゆかりの国及び県指定の工芸品の品目名と指定される要件につきましては、国指定の工芸品は博多織、博多人形の2品目がございます。指定されるには、主要工程が手づくりであること、技術、技法に100年以上の歴史があり、一定地域で一定数以上が製造に従事していることなどが要件とされております。
 県指定の工芸品は博多曲物、博多鋏、博多張子、博多独楽等の7品目がございます。指定されるには、福岡県内で製造されていること、技術、技法に50年以上の歴史があることなどが要件とされておりますが、従事者数等は要件とされておりません。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 博多織や博多人形は全国的にもとても有名であります。博多曲物や博多鋏なども伝統的な福岡、博多の伝統工芸品ですが、一般には余り知られていないように感じてしまいます。
 国指定の工芸品と県指定の工芸品について、平成29年度の決算額も含め、福岡市の支援にどのような違いがあるのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 国及び県指定の工芸品に対する平成29年度の決算額も含めた福岡市の支援内容につきましては、国の工芸品については、29年度の決算額は約1,300万円で、東京での展示、販売会による販路拡大や博多織デベロップメントカレッジ、博多人形師育成塾等の後継者育成支援などを行っております。
 一方、県指定の工芸品については、それぞれの事業規模が小さいことから、その支援に係る平成29年度の決算額は60万円ではありますが、市内での展示、販売会の開催や大学生との協同による商品の開発など、地元での認知度向上を図る事業を支援しております。
 なお、はかた伝統工芸館におきましては、国及び県の工芸品の情報発信等の支援を行っており、その管理運営費は平成29年度決算額で約2,760万円となっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 国指定の工芸品と県指定の工芸品を単純に比較してみますと、金額に大きな差を感じてしまいます。
 伝統工芸の振興目的は、産業の振興や伝統文化の継承などの側面があると思いますが、本市はどのような観点で施策を進めておられるのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡市の伝統工芸品の振興に当たっては、認知度の向上、販路の拡大、後継者の育成の観点で支援を行っております。
 その中で、最初に取り組むべきは認知度の向上であると考えております。まずは伝統工芸品の存在を知ってもらうことで、消費者に購入してもらうという次の段階に進めるものと考えております。
 その次に販路の拡大に取り組み、より多くの消費者に購入してもらうことで、伝統工芸品の製造に従事する人々の生活の安定と地域産業の振興につながるものと考えております。
 さらに、地域産業の永続的な振興を図るため、後継者育成に取り組み、伝統産業の技術、技法の継承を支援してまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) まず、認知度の向上、それから、販路の拡大を目的とする本市の取り組みは有効だったのか、成果はあったのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡市の取り組みの有効性と成果につきましては、認知度の向上については、入館者が年間12万人を超えるはかた伝統工芸館で常設の展示、販売を行うとともに、若者に人気の映画やアニメ等とのコラボレーションにより博多人形を開発するなど、これまで伝統産業に縁のなかった層への浸透も図っております。
 販路の拡大については、博多織、博多人形については、市内の若者に人気の商業施設や東京、上海の百貨店での展示販売に加え、韓国や台湾のイベント等では県の工芸品も一緒に展示販売を行い、国内外の新たな顧客開拓と販路拡大を図っております。
 その結果、市内のホテルのインテリアとして博多織が採用されたり、また、国際会議や国際交流の際のお土産品として博多織、博多人形の活用数もふえてきております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) それでは、福岡県は国指定の工芸品と県指定の工芸品について、それぞれに対しどのような支援を行っているのか、支援額についてもお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡県が行う支援につきましては、国指定の工芸品については、各組合の後継者育成や商品開発、商談会開催の支援を行うとともに、首都圏及び海外での試験販売、異業種店舗との連携による展示販売などの支援を行っております。
 また、国及び県指定の工芸品については、県庁11階やアクロス福岡での展示やウエブサイトによる情報発信や販売支援などを行っております。
 伝統工芸品、農水産物、菓子など物産振興に係る支援額は、平成29年度決算で約1億円であると聞いております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 県は1億円というふうに伺いました。
 本市は、博多旧市街プロジェクトで、歴史ある博多部のハード面の整備に事業費を投じ、観光客受け入れの利便性、魅力向上を図っておられます。
 一方、伝統文化を後世に残し続けるためにも、伝統文化の継承などソフト面の取り組みがもっと必要ではないかと懸念しております。
 少子化の影響や全国的に人口が減少していく時代にあって、あらゆる業種、団体や組織において、いかに人材を確保し、後継の人材として育成するかが団体、組織の存続の鍵となっています。
 伝統産業の分野も同様に、日本の伝統技術や文化を未来に継承しゆく人材を確保できるかどうかは重要な課題であります。
 そこで、今後の方向性について伺ってまいりたいと思いますが、私は現代社会において若者が伝統工芸を継承するためには幾つか課題があると思っております。伝統産業自体がやや閉鎖的になりがちであるために、若者が伝統技術と触れ合う機会が少なく、また、技術を継承したいと願う若者もなかなか出てこないこと。また、ベテランの職人に一人前と認めてもらうには長い年月が必要であることで親族以外では継承が困難であること。また、技術者が高齢化しているとともに、商いとして経済的に厳しい現状があるため、技術を後継に託しても後継者の生活を案ずる傾向にあり、自分の代で終わることも覚悟しているというケースも少なくないと思っております。このような状況の中にあって、若者を中心に伝統産業の後継者をつくっていくことは難しいことと察します。
 そこで伺いますが、本市でも伝統産業の職人が少なくなっていると伺いました。後継者育成として、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 後継者の育成としてこれまで行ってきた取り組みにつきましては、博多織については、博多織工業組合と国、県、市が連携して後継者を育成する博多織デベロップメントカレッジを支援しており、平成18年度から平成29年度までに71人が卒業し、そのうち42人が織元への就職や独立を果たしております。
 博多人形については、博多人形商工業協同組合と福岡市が連携して後継者の育成のため博多人形師育成塾を支援しており、平成13年度から平成29年度までに342人が修了し、そのうち68人が博多人形の制作にかかわっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 国指定の博多織と博多人形については、博多織工業組合や博多人形商工業協同組合と市や県、国が連携して後継者を育成する取り組みが行われており、まずは安心をしております。しかし、問題は県指定の工芸品の後継者育成がなかなか行われていないということであります。
 私は先日、東京都葛飾区に伺い、お話を伺ってまいりました。葛飾区では伝統工芸品が46品目、伝統工芸士が70人指定登録されていますが、伝統工芸士の高齢化等により、現在は40品目で、伝統工芸士は35人まで減っています。
 葛飾区の伝統工芸士の高齢化や後継者不足は深刻であり、そのすぐれた伝統工芸技術、技法を後世に継承するために、全国から伝統工芸に興味のある講習生を募り、伝統工芸士のもとで技能の概要や基本知識の学習、制作体験などの講習会を経て弟子入りへとつなげていくという事業であります。事業期間中の指導、育成料及び講習生の住居費、生活費の一部を区が伝統工芸士側に補助する事業であります。
 この事業は既に平成21年から23年にかけ実施され、その際に弟子になった16人のうち、7人が現在も職人として活躍しているそうであります。このたび平成29年10月より2度目となる事業を開始、7人の伝統工芸士募集枠に対し、全国から44人の応募があり、その中から選ばれた11人が2カ月間の講習期間を既に修了。引き続き6カ月の仮弟子期間を経て、現在は弟子期間として平成31年9月までの合計15カ月間の生活の支援をしながら後継者育成を行っているというお話でございました。
 対象は区で認定した伝統工芸士のうち、弟子入り事業の趣旨を理解し、弟子の受け入れを希望する者及び受け入れを希望する伝統工芸士の所属する企業であり、伝統工芸士が直接指導することを条件としております。
 弟子入り側の対象はおおむね19歳から25歳の者、ただし対象年齢を超えた者であっても、本格的に伝統工芸職人の道を進もうとする意欲のある者については面談等によって受け入れるとともに、伝統工芸士の親族には適用されないなど、厳格なルールのもとに運営されているようであります。
 また、新潟県長岡市も訪問し、お話を伺ってまいりました。長岡市でも伝統工芸後継者育成支援事業補助金を28年4月より創設。一人前の職人になるには一般的に10年の期間を要するため、複数年での支援が必要と認識し、弟子期間の長い期間での生活費を支援する事業であります。
 全国各地で伝統工芸の技術者継承者不足の問題があり、危機感を持っている自治体も多いようであります。このような自治体が取り組む後継者育成補助金事業を本市でも取り入れてはどうかと思いますが、御所見を伺います。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 議員から御説明のありました当該事業を実施する他自治体によりますと、支援事業をしてもらうことは助かるという職人、弟子からの声がある一方で、福岡市としましては、この事業で生活費等を支援することに対する社会的な理解や、行政が継続的に支援をしても、最終的に職人になるのかといった解決すべき課題も少なくないと考えております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 伝統工芸分野の弟子入りとして若者が続かない理由を、ある研究者は次のように分析していました。作品づくりと製品づくりには違いがあるため、製品づくりの重複作業になると飽きてしまう、2点目に、会社が小さいため売り上げが直接賃金に関係する、大手のように安定していないということ、3つ目に、職人の仕事はきつい割に給料は安い、4番目に、伝統産業は時代離れしているので、もっと同年代の人々に近づきたいとの思いが募る、こういう時代背景の中で若者がつかない理由もあるようでございます。
 本市も伝統工芸の後継者の育成が重要かと思いますが、市はどのような考えなのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 伝統工芸品の後継者の育成につきましては、福岡市としても大変重要であると認識をしております。そのため、国指定の工芸品については、地域産業の振興の観点から、福岡市としても博多織デベロップメントカレッジや博多人形師育成塾などを通じて、引き続き後継者育成を支援してまいりたいと考えております。
 一方、県指定の工芸品については、国指定の工芸品と比較して、まだ認知度が高いとは言えないため、まずは認知度の向上を図ることで販路を拡大しようと取り組んでいるところでございます。平成28年度からは職人と大学生が協同して博多独楽や博多張子などを制作しており、若者の認知度向上を図ることにより販路を拡大し、後継者の育成につなげていきたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 本年、博多織777周年事業として盛大なイベントが実施され、市内外にかかわらず、多くの方々に福岡、博多の伝統文化に関心を持っていただくことができ、認知度向上や販路拡大につながったことは大変喜ばしいことであります。
 私は、この伝統や文化を後世に余すところなく伝え残していけることが理想だと考えます。仮にいかなるAI技術や文明が進化したとしても、これまで伝統技術者が作品づくりに費やしてきた秘伝の心や伝統技術は絶やしてはならないと思うのであります。
 この質問の最後に、高島市長に歴史ある福岡、博多の伝統文化を次の時代へどのように継承し、未来へ存続させていくのか、市長の決意をお伺いし、この質問を終わります。
 
○副議長(石田正明) 高島市長。
○市長(高島宗一郎) 福岡市には博多織、博多人形を初め、博多曲物、博多鋏、博多張子、博多独楽など歴史と魅力にあふれるさまざまな伝統工芸品があります。地域の中で育まれてきたこれらの伝統工芸品は、地域産業の観点のみならず、福岡、博多における固有の歴史的、文化的価値を有するものとして、博多旧市街プロジェクトにおいても博多らしさをあらわす魅力の一つであると認識をしています。
 古川議員御指摘のとおり、ことしは福岡を代表する伝統的工芸品である博多織が伝来から777周年という記念の年を迎え、11月には福岡市を主会場といたしましたKOUGEI EXPOも開催されるなど、伝統工芸品の振興にとって記念すべき年となり、今後もこれまで以上にさまざまなチャレンジをする機会が多くなるというふうに思います。
 福岡市といたしましても、こうした伝統工芸を地域産業として育成し、その技術にさらに磨きをかけて、福岡、博多の伝統文化として未来につないでいくことができるように、これからも伝統工芸品の振興を図っていきたいと思います。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 次に、福岡の英語教育についてお伺いします。
  私は福岡の子供たちを日本で一番英語が話せるようにしたいと思っています。英語力は、欧米はもちろん、アジアにおいても、ビジネス・学問など何をするにも必須のものです。場合によっては冷暖房もないような環境で育つ、ハングリー精神が強いアジアの子どもたちにも負けないように、福岡の子どもたちも力強く育てていかなければなりません。これは福岡、日本の未来にとっても、とても大切なことです。
 この言葉は、高島市長がかつて御自身のブログの中で福岡の英語教育というタイトルで記された一文です。私は市長のこの言葉に賛成であり、市長のこの思いをぜひ実現してもらいたいという気持ちから、このテーマについて質問をさせていただきます。
 まず、本市の小中学校では英語力を高めるために、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、平成29年度と30年度の関連事業の予算と主な事業内容をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 英語教育に関する予算につきましては、小学校と中学校を合わせた総額として、平成29年度は約4億1,300万円、30年度は約5億900万円でございます。
 平成29年度の取り組みとしましては、小学校の5、6年生には英語が堪能な地域人材であるゲストティーチャー、中学校の全ての学年には外国人英語指導講師であるネイティブスピーカーを配置するとともに、300名の生徒を対象として、ハウステンボスなどの施設を活用して2泊3日での英語体験活動を行うグローバルチャレンジ推進事業などを実施いたしました。
 また、30年度は小学校3、4年生への新たなゲストティーチャーの配置や、これまでゲストティーチャーによる指導だった5、6年生に外国人英語指導講師であるネイティブスピーカーを配置するなど、英語によるコミュニケーション活動の充実を図っております。
 なお、グローバルチャレンジ推進事業は、30年度は実施をしておりません。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 釜山やハウステンボスで行われてきたグローバルチャレンジ推進事業という英語体験学習は、聞く力、話す力に加えて、長文の英語を読む力、書く力を伸ばせることができたと、子どもたちにとって一定の評価があったと聞いていましたが、なぜ今年度は実施していないのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) グローバルチャレンジ推進事業を実施しない理由につきましては、英語に興味を持つ生徒の英語力を伸ばす点で一定の成果はあったものの、一部の生徒しか参加できない点や、平成30年度から全ての学校の小学校5、6年生に外国人英語指導講師であるネイティブスピーカーを配置することなどにより、日常の授業における外国人との英語によるコミュニケーション活動を充実させ、全ての児童生徒の英語力を伸ばすこととしたため、本年度から実施をしていないものでございます。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) お答えのとおり、希望者から選ばれた一部の生徒しか体験できない事業であることは課題であります。全員にひとしく体験できる環境が必要だと私も思うのであります。
 先日、博多区の住吉中学校ではICTを活用し、韓国ソウルの中学校とインターネット中継でお互いの教室をつなぎ、両国の文化を英語で紹介し合い、交流を深めるという授業があったと伺いました。
 海外の学校と福岡の学校を映像でつなぎ、英語で交流するICTを使った遠隔授業は基本的に全員が体験できる授業でありよいと思うのですが、この取り組みの詳細についてお伺いをいたします。また、かかる費用は幾らだったのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 遠隔授業につきましては、ウエブ上のテレビ会議システムを活用したもので、住吉中学校の3年生と韓国のソウルにある中学校の生徒が、互いの国の文化を英語で紹介し合う合同授業を実施したものでございます。
 費用については、既存の情報機器とソフトを活用しているため、特にかかってはおりません。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 住吉中学校以外にも遠隔授業を行っている学校はあるのでしょうか。事例があればお示しください。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 住吉中学校以外で遠隔授業を行った事例につきましては、平成29年度に能古中学校において、以前ネイティブスピーカーをしていた方が現在ニュージーランドに住んでおり、その方と英語で交流する授業を実施しております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) まだ事例は少ないようですが、遠隔授業で市内の子どもたちが海外の同年代の子どもたちや海外で暮らす人たちと実際に言葉を交わすという体験は、英語を学ぶことの意味や大切さを実感できる大変よい機会となると思うのであります。しかも、費用はかからず、生徒全員が体験できるということですから、ぜひこれを全市的に広げていただければと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 遠隔授業につきましては、空間を超え、児童生徒がさまざまな人とつながり、英語による実践的なコミュニケーション活動にとって効果的な手段であると認識しております。今後、時差などを考慮しながら相手校の選定を行い、多くの学校で実施できるよう取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) ぜひ多くの学校で取り組みが始まりますよう要望いたします。
 さて、先ほどの答弁で、小学校5、6年生にネイティブスピーカーを配置するために、平成30年度に新たに1億円近くの予算を上乗せしたという報告がありました。
 このネイティブスピーカーは実際どのような授業を行っているのか、また、それによってどのような成果が出ているのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) ネイティブスピーカーは、委託会社から派遣された外国籍の英語指導講師で、担任とともに英語の授業を進めることができるとしております。児童生徒に英語で質問をして、その場で英語を使って答えさせるなど、ネイティブスピーカーが主体となってコミュニケーション活動の充実を図る授業を行っております。
 成果としましては、児童生徒の生きた英語に触れる時間がふえることにより、一人一人の英語の実践的なコミュニケーション能力や、英語を積極的に聞き、話そうとする意欲が高まっております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 英語教育の入り口である小学校の段階から、子どもたちが生きた英語に触れ、英語でコミュニケーションをとる能力を高める授業を積極的に取り入れることは大変よいことですので、引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それと同時に、英語教育が本格化する中学校の段階では、小学校の段階から実施してきたその英語教育の効果がどの程度上がっているのかを目に見える形で測定し、その後の指導や次の施策につなげていくことが大変重要になります。
 文部科学省の第2次教育振興基本計画では、中学卒業までにCEFRのA1、つまり英検3級相当以上を達成した中学生を50%にするという目標数値が掲げられています。福岡市では中学校段階での英語の実力を知るためにどのような基準で能力をはかっているのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 福岡市における英語力の測定につきましては、市内の全ての中学校3年生を対象に英語チャレンジテストを実施しております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 中学段階で行われる英語チャレンジテストとはどのようなテストなのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 英語チャレンジテストにつきましては、福岡市が独自に使用している名称であり、公益財団法人日本英語検定協会が開発した英検IBAという判定テストを採用して実施しているものでございます。
 内容については、読むこと、聞くことの2技能によって英検では何級相当であるかが判定され、ふだんの授業時間である50分で実施可能なテスト内容となっております。
 テストの結果については、合否の判定を行うのではなく、読むこと、聞くことの技能ごとに生徒の英語力の定着度を示した資料を生徒一人一人に渡すことができ、その後の学習に生かすことができるものでございます。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 読むこと、聞くことの2技能により判定しているとのことですが、国が数値目標を掲げている英検の場合には、それに加え、書くこと、話すことの4技能の英語力を測定しています。
 書くこと、話すことの2技能については、現在どのように測定しているのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 中学校における書くことについては、あるテーマについてまとまった英文を書く課題を提出させるなどし、英語科教員が評価を行っております。
 また、話すことについては、外国人のネイティブスピーカー等も活用し、実際に英語による応答を行うなど、各学校が工夫して評価を行っております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) 先日、京都市に伺い、お話を伺ってまいりました。
 京都市は、読むこと、聞くこと、書くこと、話すことの4技能に対応している英検の受験料を補助する取り組みを行っておりました。4技能に対応している試験なので、国の目標に対し正確な達成度をはかることができます。また、合格すれば相当級の資格がもらえる点で生徒のモチベーションを上げることができると現場の先生方も語っておられるようであります。
 福岡市では、せっかく小学校高学年と中学校の全学年にネイティブスピーカーを配置するなどして4技能の能力を高める教育を実施してきているのに、その効果を測定するチャレンジテストが読むこと、聞くことの2技能しか対応できていないことは大きな課題であると思っております。
 ぜひ4技能をきちんと客観的な数値で測定できるようにすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 星子教育長。
○教育長(星子明夫) 読むこと、聞くことに加え、書くこと、話すことの4つの技能から全ての生徒の英語力を評価し、指導に生かすことは重要だと認識しております。
 文部科学省においては、平成31年度の全国学力・学習状況調査で、中学校3年生を対象とした4つの技能による英語調査を実施する予定となっております。
 福岡市においても、4つの技能から全ての生徒の英語力をはかり、指導に生かすためのあり方について、国の動向や全国学力・学習状況調査の実施方法の状況、民間試験団体が行う新たな試験の開発状況や他都市の事例などを踏まえながら検討してまいります。以上です。
 
○副議長(石田正明) 古川清文議員。
○16番(古川清文) これまで教育長にお尋ねしてまいりましたが、英語教育の充実にはやはり福岡市全体での後押しが欠かせません。具体的支援として、京都市以外にも政令市では静岡市と横浜市、東京23区においても9つの区が4技能に対応している英検の受験料を一部補助するなど、子どもたちをグローバル人材に育てることを目的に財政支援を行っております。中でも横浜市では、中学3年生を対象に全員の英検受験料を全額補助、29年度の予算で約6,400万円。学校の授業のこまとして2時間程度を使って各中学校で実施しているとのことです。29年度は約2万6,000人の対象者が英検に挑戦しており、辞退者はほとんどいないというお話でありました。まさに日本一の英語教育の支援だと思います。
 私がこの質問の冒頭で御紹介した、福岡の子どもたちを日本で一番英語が話せるようにしたいという高島市長の熱い思いは今もきっと変わらないことと思っております。行政としても他都市に負けない福岡の英語教育で日本一の支援を目指していただくよう要望いたします。
 最後に、福岡の子どもたちの英語力を伸ばし、世界で挑戦、活躍するグローバルな人材の育成に向けた高島市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 
○副議長(石田正明) 高島市長。
○市長(高島宗一郎) 世界に視野を広げて活躍できる、そうしたグローバル人材を育成していくということは、これはアジアに開かれた国際交流都市として発展をしていく福岡市を支え、また担っていく、そういう世代を育てることでありまして、子どもたちがさまざまな国の文化を尊重する態度を身につけるとともに、国際共通語であります英語によるコミュニケーション能力を高めていくということは、基本的な手段としても非常に重要であるというふうに認識をしております。
 今後も古川議員の御指摘のとおり、教育委員会と連携を図りながら、福岡市の英語教育の取り組みを積極的に支援して、世界に羽ばたき行動するグローバル人材づくりを推進してまいります。以上です。 z
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