大石 修二 <平成30年 決算特別委員会/平成30年10月10日 総会質疑>
◯大石委員 公明党福岡市議団を代表し、道路工事の品質確保及び適切な維持管理について、小児ワクチン再接種費用の助成制度について、福岡市の図書館について質問する。初めに、道路工事の品質確保及び適切な維持管理についてである。本市の道路は、福岡市道路整備アクションプランに基づき、ユニバーサル都市・福岡を実現する道づくり、都市の魅力に磨きをかける道づくり及び市民の安全、安心を支える道づくりという3つのビジョンのもと、道路整備に取り組んできており、他都市と比較しても非常に整然と整理、維持管理がなされていると感じている。そんな優秀な道路でも、最近、道路陥没や道路の損傷などの不備も見受けられ、特に道路工事を行い復旧したところでは、道路のでこぼこなど、あるいは道路上の白線の消失、買い物帰りに自転車かごの卵が割れたという話もあり、市民の不満と不安の声がある。いわゆる道路工事については、電気やガス管などの埋設工事や電柱の敷設工事、舗装の補修工事などがあるが、本市発注の道路舗装、補修工事は、年間にどれくらい行われているのか。29年度を含む過去3年間の工事件数と決算額を尋ねる。
△道路下水道局長 27年度が356件で20億5,952万円余、28年度が357件で18億5,298万円余、29年度が382件で19億8,899万円余である。

◯大石委員 道路工事は、本市発注工事以外にも民間企業などが行う道路工事もあるが、29年度の民間などの工事申請数を尋ねる。
△道路下水道局長 ちょうど1万件である。

◯大石委員 一般的な本市発注工事の発注から完了までの流れはどうなっているのか。
△道路下水道局長 まず、工事契約を締結し、次に、施工業者が作成した施工計画書などを本市の監督員が受理した後に工事に着手する。工事施工時には、本市の工事に関する基準書などに基づき施工がなされているか、本市の監督員が確認を行う。工事が完成した後、契約図書などに基づいた施工であるかどうか、現地及び書類の検査、確認を行った後、受け渡し完了となる。

◯大石委員 検査は本市発注の小さな工事や民間工事などを含めた全ての工事に対して実施されているのか。区役所の職員からは、とても全ての工事について現場での立会検査はできないと聞いている。現場の検査体制はどうなっているのか尋ねる。
△道路下水道局長 一般的な本市発注工事の検査については、工事完成後、現地確認を行うとともに、工事写真などの書類を確認しているが、単価契約による緊急補修などの小規模な工事については、写真などの書類で施工状況や仕上がりを確認する検査を行う。また、民間などが行う道路工事については、工事写真などの書類による確認を行うが、必要に応じて現場での確認も行っている。

◯大石委員 工事後の道路状況について、市民からクレームを聞くことがある。主に大きな工事、現行の検査体制で現場確認ができている工事に関しての品質は十分に担保ができていると考えるが、問題は単価契約を中心とした小規模の工事や民間の工事ではないか。検査についても工事写真等による書類確認のみで、現場立ち会いができていない工事に品質がよくない工事が発生する可能性があると考える。小規模工事の代表でもある単価契約工事の29年度決算を含む過去3年間の工事金額、工事件数について尋ねる。
△道路下水道局長 27年度は4億3,538万円余253件、28年度は4億7,071万円余276件、29年度は4億8,384万円余292件である。

◯大石委員 29年度に民間企業などが行う道路工事が約1万件、それに加えて本市の単価契約の工事が発注され、多くの道路工事が市内各所で施工されているが、職員は、トータルの工事件数が余りにも膨大で手が回っていない。この単価契約工事及び民間工事の検査体制については、現場確認の検査がなく写真等の書類検査になっており、そのことが工事後の市民からのクレームにも結びついているのではないかと考えている。工事の品質については、工事の大小に関係なく担保、保証されるべきである。今後、小規模工事の品質管理及び検査体制も含め、しっかり取り組むことを強く要望しておく。福岡市道路整備アクションプランにもうたわれているように、市民が安心して利用できる道路、税金が生きた工事にしっかり取り組むこと、安心、安全な道路の維持継続のための努力を要望するとともに、所見を尋ねる。
△道路下水道局長 工事の品質管理については、請負金額が250万円を超える工事について、福岡市請負工事成績評定要領に基づき工事に係る成績の評定を行い、評定結果を公表し、工事品質の向上に努めている。また、道路整備アクションプラン2020において掲げる3つのビジョンの一つとして、市民の安全、安心を支える道づくりを位置づけている。安全、安心な道路を維持し続けるために必要な予算を確保しながら、現場を受け持つ区役所としっかり連携を図り、災害に強く次世代につなぐ道づくりに取り組んでいる。

◯大石委員 道路上のミラー、ガードレールなど、いわゆる道路附属物については、車両などの衝突事故により破損することがあり、本来の機能を発揮できず、結果として市民の安心、安全が損なわれることになる。道路附属物の過去3年間の物損事故件数を尋ねる。
△道路下水道局長 27年度が391件、28年度が250件、29年度が378件である。

◯大石委員 29年度の378件中、事故原因者が補修、弁償した件数と原因者が弁償していない件数を尋ねる。
△道路下水道局長 原因者が弁償した件数は357件、原因者が特定できないなどにより弁償していない件数は21件である。

◯大石委員 事故原因者が弁償していない、いわゆる当て逃げの件数が21件もあるが、29年度を含めた過去3年間の当て逃げ件数及び補修金額について尋ねる。さらには、そのうちの最高金額は幾らか。
△道路下水道局長 過去3年間の事故原因者が弁償していない件数及び補修金額については、27年度が35件で227万円余、28年度が26件で147万円余、29年度が21件で169万円余である。また、1件当たりの最高金額は約45万円である。

◯大石委員 当て逃げの事故原因者に対して、きちんと請求ができているのか。
△道路下水道局長 事故原因者に対しては、道路法の規定により、復旧に要した費用を原因者負担金として請求している。なお、事故原因者が特定できない場合は請求できていない。

◯大石委員 当て逃げ事故であり、補修金額は回収できない状況が続くので、最終的には決算で不納欠損の処理をするのか。
△道路下水道局長 事故原因者が特定できない場合は費用の請求自体ができないため、危険防止のためやむなく本市が補修を行い、維持補修費として計上している。その後、事故原因者が明らかになれば費用の請求を行う。不納欠損については、事故後の調査や警察による捜査などで事故原因者が特定され、復旧に要した費用の請求を繰り返し行ったものの、事故原因者が負担する資力を有していないなどの事由により徴収できない状態が続き、本市が有する債権が時効消滅となった場合に行っている。

◯大石委員 しっかりとした取り組みを要望しておく。29年度を含む過去3年間の不納欠損の金額は幾らか。
△道路下水道局長 27年度及び28年度はゼロ、29年度は約122万円である。

◯大石委員 道路附属物が当て逃げ事故により毎年破壊されている。市民にとって安全で優しい道路づくりのため、今後どう取り組むのか所見を尋ねる。
△道路下水道局長 道路の維持管理に当たっては、日常的な道路パトロールに加え定期点検など安全確保に取り組むとともに、6年度から全国に先駆けて路面下空洞調査を実施し、空洞の早期発見と早期補修を行い、事故の未然防止に努めている。また、いわゆる当て逃げなどに対しては、警察と協力して事故原因者の特定に努め、特定できた場合は相手方に対し適切に費用負担を求めていく。

◯大石委員 道路の損傷箇所を早期に発見して、早期に補修を行うことが事故の防止に大変重要である。現在の道路の見回り、パトロールの体制について尋ねる。
△道路下水道局長 道路パトロールについては、各区役所で危険箇所の早期発見、事故防止に向け、本市が管理する全ての道路の車道及び歩道を対象として、車上もしくは徒歩などにより、幹線道路は月2回以上、生活道路は年1回以上実施している。

◯大石委員 パトロールだけでは損傷箇所の早期発見に限界があり、市民の協力が必要である。パトロールや職員及び市民からの通報について、29年度のそれぞれの通報件数を尋ねる。
△道路下水道局長 道路パトロールのほか、市民や企業からの通報体制として、各区役所の通報連絡先を記載した道路の傷みカードを広く配布し、市民や企業の皆様に通報の協力をお願いするとともに、職員にも通報の周知を図っている。29年度については、道路パトロールによる通報が1万715件、職員からの通報が2,265件、市民、企業などからの通報が11,173件である。

◯大石委員 他都市では、現場最前線でもある市民がスマートフォンで写真を撮り、直接区役所へ通報できるシステムを構築して効果を上げている。本市においても市民の力を最大限活用していくという観点から、通報システムの構築など新たな手法を検討すべきと考えるが、所見を尋ねる。
△道路下水道局長 スマートフォンなどの活用については、効果的で効率的な道路の傷みの情報収集のあり方の検討に向けて、他都市の導入事例を調査している。他都市の代表的な事例として、千葉市におけるちばレポのように独自アプリを作成し、市民などが道路の破損や地域の課題を位置情報や写真つきでレポートし、市が受け付けを行っているものがある。また、仙台市におけるFix My Street Japanという民間アプリを活用し、市民などが道路の損傷などを施設管理者の自治体に通報できるシステムがある。本市においても、今後、スマートフォンなどを活用した道路通報システムについても検討していきたい。

◯大石委員 ここまで道路工事の品質の確保及び検査体制の強化、物損事故に係る当て逃げ事故対策の強化及び道路パトロールや通報体制の強化について尋ねてきた。これらの取り組み強化は、安全、安心の道路づくりに欠かすことができないものである。関連の予算をしっかり確保して、さらに質の高い道路整備により、市民生活の質の向上に資する道路づくりに取り組まれたい。この質問の最後に、道路下水道局長の決意を尋ねる。
△道路下水道局長 道路は、安全、安心な市民生活と都市活動を支える最も根幹的な都市基盤であり、市民共有の財産である。福岡市道路整備アクションプラン2020のビジョンの一つとして、市民の安全、安心を支える道づくりを掲げており、激甚化する気象災害や老朽化する道路施設への対応のため、防災、減災に資する道路整備や道路の適正な維持管理が求められていることを受けた取り組みを進めることとしている。また、アセットマネジメントの観点から、質の高い道路整備に取り組むとともに、スマートフォンを活用した効果的で効率的な通報システムなどの道路の安全、安心をみんなで見守る仕組みづくりの検討を進めるなど、市民生活の質の向上に資する道路づくりにしっかりと取り組んでいく。

◯大石委員 次に、小児ワクチンの再接種費用助成制度について尋ねる。小児がんなど、病気で骨髄移植手術を受けた子どもは、接種済みワクチンの抗体が失われ、再接種が必要になることがある。現在、本市では、子どもの定期接種については全額公費で賄われているが、再接種については何の手当てもなく、再接種の費用は全額自己負担になっている。現在、子どもの定期接種にはどのような種類があって、接種回数は最高で何回になるのか。
△保健福祉局長 子どもの定期予防接種については、B型肝炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、4種混合、BCG、麻疹・風疹、水痘、日本脳炎、2種混合、また、現在、積極的勧奨は行っていないが、ヒトパピローマウイルス感染症があり、合計10種類である。接種回数については、種類により異なるが、それぞれの予防接種につき、1回から4回の接種が必要であり、全ての定期予防接種を行ったとすると、合計で男子は25回、女子は28回となる。

◯大石委員 現行の定期接種は、以前では考えられないほど種類、回数がある。定期接種は何歳までに受けるのか。
△保健福祉局長 対象年齢や期間については、B型肝炎、BCGは1歳未満、麻疹・風疹は、1期が1歳から2歳未満までと、2期が小学校入学前の1年間、水痘は1歳から3歳未満まで、ヒブ、小児用肺炎球菌は生後2カ月から5歳未満まで、4種混合は生後3カ月から7歳5カ月まで、日本脳炎は、1期が生後6カ月から7歳5カ月までと、2期が9歳から13歳未満まで、2種混合は11歳から13歳未満まで、ヒトパピローマウイルス感染症は小学校6年生から高校1年生相当の年齢の女子である。

◯大石委員 定期接種は公費負担で全て賄っているが、接種人数と29年度を含めた過去3年間の決算額を尋ねる。
△保健福祉局長 27年度が31万2,945人で34億2,221万円余、28年度が34万93人で36億3,444万円余、29年度が35万2,121人で37億1,370万円余である。

◯大石委員 過去3年間の約34〜37億円は全額市費なのか。国や県からの助成はあるのか尋ねる。
△保健福祉局長 予防接種費用については、国において地方交付税で手当てしているとされているが、国、県含めてその他の補助金や負担金はない。

◯大石委員 がん治療などにより定期接種で得られた抗体、免疫を失ってしまった子どもの数及び増減について尋ねる。
△保健福祉局長 統計等のデータはないが、抗体、免疫を失った可能性のある全国のゼロ〜15歳の小児の非血縁者間の骨髄移植及び末梢血幹細胞移植患者数は、日本骨髄バンクのデータによると、27年度は114人、28年度は56人、29年度は121人である。それ以外に、血縁者間の骨髄移植及び末梢血幹細胞移植患者や臍帯血移植患者も抗体、免疫を失う可能性がある。

◯大石委員 定期接種で獲得した免疫の喪失やワクチン効果が期待できなくなることについて、医学的な説明を求める。
△保健福祉局長 日本造血細胞移植学会によると、骨髄移植等では、患者の体内に残存するがん細胞をできるだけ壊滅させ、かつ、ドナーの細胞を拒絶せず受け入れられるよう、患者自身の免疫力を低下させるために、移植前の治療として抗がん剤や全身放射線照射等の治療を行っていることから、予防接種による抗体もなくなるものもあるとされている。

◯大石委員 子どもの定期接種の接種対象年齢に接種ができなかった場合には、長期療養制度という制度があるが、どのような制度なのか。
△保健福祉局長 長期にわたる療養を必要とする疾病にかかった場合などの定期予防接種の機会の確保については、国により定期接種実施要領が示されている。厚生労働省が例示する疾病にかかった場合など、定期予防接種の対象年齢であった間に特別の事情があることによりやむを得ず定期予防接種を受けることができなかった場合に、原則2年間、定期予防接種の対象者とすることとされている。

◯大石委員 小児がんを中心とした骨髄移植等による治療を行い、定期接種で得られた免疫をなくした子どもたちも医療の進歩により、七、八割という高い割合で病気が治っている。定期接種の全てのワクチンを再接種として自己負担した場合は、幾ら必要か尋ねる。
△保健福祉局長 長期療養制度では、必要とされる予防接種は年齢により異なっており、本市が設定している定期予防接種の料金が適用されたと仮定すると、5歳児で約22万4,000円、10歳児で約13万6,000円となる。

◯大石委員 がん対策基本法など法整備が進んでおり、社会におけるがんに対する認識もさまざまに変化している。例えば、教育現場におけるがん教育の推進などは大きな進歩でもある。しかし、がんに関連した問題のほとんどが大人のがんが中心になっているとの指摘もあり、子どものがんに対する取り組みにももっと目を向けていかなければならず、ワクチン再接種については、大事な取り組みであると考えている。先日、九州大学病院で、小児がんの親の会で活動をしている責任者に話を聞いたが、親は子どもの治療に専念するために仕事をやめるなど、経済的には大変厳しいものがあり、ワクチン再接種については、経済的負担が大きく躊躇するケースもある。ワクチン再接種を受ける場合には、最高で約22万円の費用が新たに必要になる。ワクチン再接種費用の助成については、他の政令市では、名古屋市がことし4月から、新潟市が平成29年8月から、大阪市はことし6月から実施と、政令市の中で7市が既に再接種にかかる費用を全額公費負担として取り組んでいる。本市においても、ワクチン再接種費用の公費負担に取り組み、親の負担を少しでも軽減して、病気と闘っている子どもたちや、せっかく助かった小さな命に寄り添ってもらいたい。なるべく早期にしっかりと公費負担制度を導入して、個人や地域の感染症予防に努めていくべきである。ワクチン再接種費用の助成制度の実現に向け、保健福祉局長の決意を尋ねる。
△保健福祉局長 骨髄移植等の治療により免疫を失った小児への予防接種の再接種は、病気と闘う子どもたちが新たに感染症にかからないためにも大変重要である。今後とも他都市の取り組み状況を踏まえ、しっかり検討したい。

◯大石委員 九州の中心都市である本市には、さまざまな施策において九州地域を牽引する使命がある。特に子どもたちの健やかな成長や安心に向けて、何よりも子どもの命と健康を守る予防接種など予防医療への取り組みが強化されることを強く要望し、市長の決意を尋ねる。
△市長 未来の本市を担う子どもたちが健やかに成長していくために、社会全体で子どもたちを支えていくということは大変重要であり、子どもの命と健康を守る予防医療への取り組みはとても大切である。その取り組みの一つである予防接種については、これまで多くの感染症の流行の防止に成果を上げて、感染症による患者の発生や死亡者の大幅な減少をもたらすなど、極めて重要な役割を果たしてきており、多くの子どもたちの健康に寄与している。本市としては、今後も予防接種を初め、子どもの命と健康を守る予防医療にしっかりと取り組んでいく。

◯大石委員 定期接種で得られた抗体をなくした子どもたちへの再接種費用の助成について、早急な取り組みを要望しておく。次に、本市の図書館について尋ねる。図書館は、地域を支える情報の拠点として重要な役割を担いながら、さらに従来の図書サービスに加えて学習活動の支援、さまざまな情報提供を行うことによる地域の課題解決や地域の振興を図ることなど、まさに地域の教育、文化の拠点としての役割が強く求められている。本市における総合図書館と各区の図書館の位置づけ及び役割について尋ねる。
△教育長 総合図書館では、図書、新聞、雑誌などの逐次刊行物等の図書資料に加えて、映像資料、歴史的文化的価値を有する公文書や古文書等の文書資料、各区の図書館は図書資料を、それぞれ収集、整理、保存して、市民の利用に供する施設としての機能を担っており、総合図書館と分館は相互に緊密な連携を図りながら図書館サービスの充実に努めている。

◯大石委員 図書館運営費の中心である29年度の資料収集経費、給与費、施設管理費について、29年度を含めた3年間の決算額を尋ねる。
△教育長 資料収集経費は、27年度が1億6,070万円余、28年度が1億5,171万円余、29年度が1億3,591万円余である。給与費は、27年度が3億650万円余、28年度が2億9,438万円余、29年度が2億9,258万円余である。施設管理費は、27年度が2億5,493万円余、28年度が2億5,964万円余、29年度が2億5,786万円余である。

◯大石委員 資料収集経費について、市民1人当たりの資料費、県内自治体の中での順位、それぞれ過去3年分を尋ねる。また、その状況についての所見を尋ねる。
△教育長 資料費は、福岡県公共図書館等協議会がまとめた概況によると、本市の当初予算における市民1人当たりの図書館資料の購入に要した資料費は、27年度が84.67円、28年度が77.33円、29年度が70.07円である。また、県内60自治体のうち、図書館を有する自治体中で、27年度及び28年度が52自治体中52番目、29年度が53自治体中53番目である。規模が異なる自治体間での比較では、さまざまな要素があり一律な比較は難しく、人口規模が大きな都市における1人当たりの資料費は低くなる傾向となっている。

◯大石委員 本市は、資料費においては、県内自治体の中で最下位が定位置になっており、大変な不名誉と考えている。全国20政令市中での1人当たりの資料費は何番目か。また、人口1人当たりの来館回数は何番目か。
△教育長 資料費については、30年度当初予算で比較すると本市は91.44円で20政令市中14番目である。また、年間の来館回数については、29年度で比較すると本市は人口1人当たり約2回で20政令市中14番目である。

◯大石委員 資料費については、図書館をよく利用する市民から要望が寄せられ、同じ時期に、西日本新聞の市民投書欄に、投書が掲載されていたので、抜粋して紹介する。「1人当たりの資料費を調べました。資料費としては購入図書や雑誌代などです。福岡市は図書館設置の53自治体中、最低の70円です。トップのみやこ町は758円、全自治体平均の324円から見ても余りにも低い。図書館は地域文化のバロメーター、実に恥ずかしい。福岡市は人口増の元気都市であるなら、子どもたちの教育や市民に寄り添う施策にももっと力を入れるべきです。教育や文化は成果がすぐあらわれるものではありません。長い時間をかけ育むことで未来の福岡市を創造します。そんな視点の市政運営を望みます」と記されていた。投書にもあったように、図書館は文化のバロメーターと言われている。資料費に関して一概に他都市と比較はできないとしても、大変厳しい数字と言わざるを得ない。本市としてもっと資料費の拡大や図書館の活性化、利用者拡大への思い切った取り組みを行うべきであるが、これまでの取り組みを含めた所見を尋ねる。
△教育長 30年度には資料費の増額を行うとともに、これまで東図書館の移転開館や同図書館及び総合図書館における開館時間の延長、図書返却ポストの増設、有料宅配サービスや読書活動団体、高齢者施設等への団体貸し出しの実施、総合図書館エントランスでの市民向けイベントなど、さまざまな取り組みを通じて図書館の活性化や利便性の向上による利用者拡大にも努めてきた。 また、福岡市総合図書館新ビジョンの中で、新たな図書館像として、誰もが楽しめる魅力ある図書館、さまざまな情報を求める市民に応える図書館を掲げており、今後も蔵書構成や地域の実情を考慮しながら資料収集に努めるとともに、市民と図書館を結ぶ行事等の充実など、図書館の活性化や利用者の拡大に取り組んでいく。

◯大石委員 レファレンスの受け付けについて、29年度は何件で市民1人当たり何件か、また、政令市中で何番目か、29年度を含めた3年分を尋ねる。
△教育長 29年度は、総合図書館の各部門及び分館の合計が10万2,262件で、市民1人当たり0.67件である。他の政令市については、統計のとり方が各市で異なるため一概には比較できないが、レファレンスや資料相談、調査相談、参考業務などの数値を市民1人当たりの件数で比較すると、20政令市中10番目である。28年度はレファレンス件数の合計が10万7,855件、市民1人当たり0.071件で8番目、27年度はレファレンス件数の合計が11万3,597件、市民1人当たり0.076件で8番目である。

◯大石委員 図書館への市民の要望について、どのような方法で把握しているのか。
△教育長 総合図書館及び全分館で利用者に対するアンケートを毎年実施するほか、図書館利用についての意見、要望等を投函箱で受け付ける「図書館利用者の声」の設置、図書リクエストの受け付けなど、図書館に対するさまざまな意見、要望の把握に努めている。

◯大石委員 利用者に対するアンケートも大事ではあるが、図書館に来ない人のニーズを把握する必要もあり、検討を要望しておく。次に、学校図書館との連携や学校図書館の支援についてはどう取り組んでいるのか、そのほか、大学図書館を含めたほかの施設との連携はどのように取り組んでいるのか、さらに福祉施設を含めた連携について尋ねる。
△教育長 学校図書館については、27年度に学校図書館支援センターを設置し、各学校が学校図書館を効果的に運用できるように、学校司書や司書教諭、教員を対象に、相談業務や学校訪問、学習支援用図書の貸し出しや配送、学校図書館運営に関する情報発信、小学生読書リーダー活動の推進等を通じて支援を行っている。大学図書館については、市内9大学13図書館と協力し相互貸借を実施し、公共図書館では所蔵が難しい専門書や学術書等の資料を市民に提供している。また、公共図書館については、県内、国内の公共図書館における図書館資料について相互貸借を行っているほか、福岡都市圏の広域行政の一環として、相互に利用者登録及び貸し出し利用できるよう協定を締結している。さらに、介護サービス事業者などを含む登録団体に対して、1,000冊を上限に図書を貸し出して配送する団体貸し出しの実施により、福祉施設等における読書活動を支援している。

◯大石委員 先日、北九州市の図書館で松本清張の全集が盗まれるという事件が発生した。そのほかにも、図書の盗難や切り取り事件など多くの事件が発生しているおり、本市の図書館において、どのようなセキュリティー対策がとられているのか尋ねる。
△教育長 貸し出し処理をせずに図書を持ち出そうとしたときに警告を発する装置の設置や、マナーアップの呼びかけを全図書館で行うとともに、総合図書館では、警備員による図書館内の巡回や出入り口に防犯カメラを設置し、セキュリティー向上に努めている。

◯大石委員 借りた本の返却について、もっと簡単に借りた本の返却ができないかとの相談を受けることがある。現在の返却方法及び利便性の高い返却方法について、市民からの要望はないのか尋ねる。
△教育長 身近な返却拠点を設置してほしいとの要望があっており、26年度に西区の大型商業施設に、28年度に南区の九州がんセンターに、それぞれ返却ポストを新設するなどの対応を進めてきた。現在、総合図書館及び分館、行政施設や駅、利便施設など、市内23カ所に返却できる場所を設けている。

◯大石委員 さらなる利便性の向上に努められたい。視覚障がい者からは、デイジー図書導入への要望が強く寄せられるが、本市の状況を尋ねる。
△保健福祉局長 デイジー図書は、視覚障がい者、あるいは印刷物のページをめくることが困難な人のために、本を音読して録音し、写真やイラストなどとともに主にCD‐ROMに記録するもので、カセットテープにかわるデジタル録音図書である。使用に当たっては、一般のパソコンにソフトウェアをインストールすることなどにより音声が再生され、また、画面上にイラストなどが表示されるもので、総合図書館内に設置している市立点字図書館において貸し出しを行っている。29年度の貸し出し数は、延べ11,551タイトルで11,592冊、29年度末の蔵書数は5,980タイトルで6,013冊となっている。

◯大石委員 デイジー図書のさらなる充実を要望しておく。福岡市総合図書館新ビジョンが策定され、計画期間が26〜35年度となっているが、今年度は折り返しの年である。施策、事業について総括をすると思うが、現時点での所見を尋ねる。
△教育長 重点的に取り組む施策、事業について、5年ごとに事業計画を策定し、推進に努めるとともに、毎年度、事業の進捗等について外部の有識者による評価を行っている。30年度は前期事業計画の最終年度であり、さらに取り組みを進めるとともに、26年度からの成果と課題を踏まえながら、後期事業計画の策定に向けて取り組んでいく。

◯大石委員 本市の図書館は、年間約340万人という莫大な利用者があり、まちづくりやにぎわいを考えるとき、大変大きな財産で大きな魅力でもある。市民の豊かな生活を築くためにも、図書館の利用、活用は必要条件でもある。多くの市民に利用、活用してもらうために、これからどのような取り組みを行っていくのか、このすばらしい市民の財産をまちづくりにどう生かしていくのか、今後の本市図書館の方向性について、教育長の決意を尋ね、質問を終わる。
△教育長 図書館は、市民にとって最も身近な生涯学習施設であり、必要な知識や情報を提供し、学習や調査、研究活動を援助する役割を担っている。また、市民生活の質の向上と都市の成長の好循環をつくり出すためには、人材の多様性とその交流や対話から生まれる創造力が必要であり、それを支える基盤として、さまざまな人材が育ち、集まり、活躍できる環境づくりに取り組むことが必要である。このため、今後の本市図書館は、これまでの機能を充実するとともに、地域の情報や市民が求めるさまざまな情報を集約し提供する情報拠点の機能を強化し、市民がくつろぎ、楽しさを共有できる新たな情報交換の拠点となる施設を目指していく。
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