楠 正信 議員 <
平成29年 第5回定例会/12月14日 一般質問>

福岡トリエンナーレについて、博多湾の環境保全について、障がい者差別解消条例の原案について、以上3項目質問いたします。
1○24番(楠 正信)登壇 私は公明党福岡市議団を代表して、福岡トリエンナーレについて、博多湾の環境保全について、障がい者差別解消条例の原案について、以上3項目質問いたします。
 最初に、福岡トリエンナーレについてです。
 本年2017年は、数々の国際芸術祭が世界各地で開催された年でありました。2年ごとに開催されるイタリア、ヴェネチアビエンナーレは、歴史も古く、明治26年、ベネチア市議会で開催が決定され、本年で57回目となります。御存知のとおり、ベネチアは文化芸術の創造都市として世界の各都市からお手本とされています。
 日本国内においても、2年に1度開催されるビエンナーレ、3年に1度開催されるトリエンナーレといった国際芸術祭が各地で行われています。
 最初に、本年国内で行われた芸術祭のうち、自治体が主体で行われた主な芸術祭の名称と都市名をお示しください。
 これで1回目を終わり、2回目以降は自席にて行います。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 平成29年に自治体が主体で行った主な芸術祭につきましては、政令市では、札幌国際芸術祭2017が札幌市で、ヨコハマトリエンナーレ2017が横浜市で開催されております。そのほかの自治体では、リボーンアート・フェスティバルが宮城県石巻市で、中房総国際芸術祭が千葉県市原市で、北アルプス国際芸術祭2017が長野県大町市で、奥能登国際芸術祭2017が石川県珠洲市などで開催されております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 行政が主体となり美術、芸術の力を生かしたまちづくりが次々と行われているようです。
 では、福岡市の文化芸術の持つ創造性を生かした産業振興や地域活性化の取り組みはどのような方針のもと、どのような施策となって進められていますか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 文化芸術の持つ創造性を生かした取り組みにつきましては、福岡市第9次基本計画において、心豊かに文化芸術を楽しむまちづくりを施策として位置づけており、その推進に当たっては、観光、教育、福祉、地域コミュニティなどの分野との連携を深め、まちづくりと一体となった文化芸術の振興を進めることにいたしております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 私たちの福岡市では、経済成長と国際化が進む東アジアに焦点を当て、その時々の注目される現代美術の作家を紹介する福岡トリエンナーレが開催されています。この芸術祭は、1999年、平成11年の第1回の開催よりアジア特有の社会、文化に根差した独自の作品を紹介し、世界からも注目を集めています。
 2017年、平成29年の本年は、この福岡トリエンナーレ第6回が開催される年です。今までトリエンナーレが開催されないのはなぜですか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡トリエンナーレ開催についてのお尋ねですが、平成11年に開催された第1回目は、当時としては、アジア美術の先駆的な国際展として国内外から高い評価をいただき、大きな成功をおさめました。しかし、近年、日本各地でもトリエンナーレなどの同様の大型国際展が開催されることになり、福岡トリエンナーレは多くの国際展の中で優位性が見出せない状況も生じてきております。また、3年ごとでは、アジア全体での新しい傾向を捉えにくいという事情もございます。このような状況の変化を踏まえまして、これまでの形式を見直すことといたしました。
 一方では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を好機と捉え、文化庁を中心に文化芸術の振興を進めることとしており、福岡市でも平成30年度に文化芸術振興ビジョンの改定を行い、文化プログラムを策定し、市民や国内外からの訪問客の方々に福岡の文化芸術に触れていただく機会を創出していく予定です。
 この動きの中で、福岡トリエンナーレを発展、継承していくことを目指して、平成29年度以降は、先日発表されました博多旧市街地プロジェクトにおける観光回遊の拠点として、アジア美術館を位置づけ、博多部においてアジア美術のイベントを展開していきたいと思います。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 我が会派の先輩議員の方々は、議会質問で文化振興への予算の確保とトリエンナーレの継続的な開催を幾度となく要望してきました。当局側も予算を確保し、継続的な開催に努力する旨の回答でありましたが、いつから方針の変更が始まったのでしょう。
 福岡トリエンナーレ2017の開催準備のため、2年前の平成27年にアジア美術館から予算要求がなされていますが、その要求はどのように扱われてきましたか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 平成27年度には、29年に開催するための準備について検討いたしておりましたが、アジア美術をめぐる状況などを考慮し、予算要求は見送っております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 開催準備のための予算を組むことができず、トリエンナーレ2017の開催は2年前に断念せざるを得ませんでした。
 ことしの8月ごろ、トリエンナーレ開催の問い合わせが市民から2本入り、アジア美術館に問い合わせましたが、そのとき初めて中止であることを私も知りました。その中止はいつ議会に報告されましたか、また、楽しみにしていた市民にどのような説明をされましたか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 今年度、福岡トリエンナーレを開催していないことにつきましては、議会を初め、市民の皆様にこれまで報告できておりません。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) このような定期的な国際芸術祭の中止は、どこで、どのような判断があり、どなたが最終決定をされたのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡トリエンナーレの開催につきましては、経済観光文化局として、アジア美術をめぐる状況などを考慮し、本年の開催を見送ることといたしました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 本年、政令市で開催された芸術祭、トリエンナーレの成果、総事業費をお尋ねいたします。また、その催しを支え、調整役を担った行政の部署はどこだったのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) ヨコハマトリエンナーレ2017につきましては、8月4日から11月5日までの88日間開催されており、入場者数は25万9,032人、総事業費は約9億円となっております。
 次に、札幌国際芸術祭2017につきましては、8月6日から10月1日までの57日間開催されており、入場者数は38万1,656人、総事業費は約4億2,000万円となっております。
 また、催しを調整した部署につきましては、横浜市が文化観光局創造都市推進課、札幌市が市民文化局国際芸術祭担当部となっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 同じように、前回の福岡市開催のトリエンナーレ2014の成果、総事業費をお示しください。また、その催しを支え、調整役を担った行政の部署はどこだったのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 前回の福岡トリエンナーレにつきましては、平成26年9月6日から11月30日までの74日間開催されており、入場者数が2万1,125人、総事業費が8,147万円余となっております。また、催しを調整した部署につきましては、アジア美術館運営部となっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 札幌市や横浜市とは余りにも規模が違い過ぎて比較になりませんが、総事業費8,000万円は、とても国際芸術祭の事業費と言えるものではありません。
 私は、本年開催されたヨコハマトリエンナーレに行ってきました。美術や芸術のことは全くわからない私ですが、掛け値なしに楽しむことができました。現代美術の持つメッセージ性を前に、知らず知らずのうちにアートの世界に引き込まれてしまいます。
 横浜市の文化プログラム推進部トリエンナーレ担当課長さんや係長さんにもお話を伺いました。とにかく一人でも多くの方に見ていただくことが目的であり、チケットをどのように販売するか、企業とどうタイアップするか、市民サポーターの募集、研修をどうするか、美術館と企画ディレクターとの調整をどうするか、小中学生へのわかりやすいガイドブックの作成をどうするか、トリエンナーレ成功のためのありとあらゆる役割を担っておられました。
 横浜市の文化芸術創造都市に取り組む具体策が都心臨海部の再生にも結びついており、その内容は、横浜市中期4カ年計画に明確に記載されています。
 以前は、廃墟となっていた臨海部にあるれんが倉庫をトリエンナーレ会場にすることにより、廃墟は見事ににぎわいゾーンに変貌していました。横浜市全体で取り組んだ結果ですと答えておられました。
 また、最後に職員の方が、福岡市さんは時代の先を行かれる先駆者ですよ。アジア作家の紹介や美術品の展示方法など、私たちは福岡市をお手本にしています。また、アジア美術館さんからは価値のある作品を幾つもお借りして展示していますと言われ、大変に驚きました。
 それでは、福岡市の経済観光文化局コンテンツ部長、コンベンション部長は、3年前の福岡トリエンナーレ2014の運営主体である実行委員会のメンバーであったわけですが、この催しのどの役割を担い、どのような事業を進められましたか、具体的にお示しください。また、催し閉幕後、事業の検証はどのように行われたのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡トリエンナーレの実行委員会につきましては、展覧会の館外展開や観光客の集客などのために、国際経済・コンテンツ部や観光コンベンション部も含めた実行委員会を組織いたしました。その中で、国際経済・コンテンツ部においては、福岡トリエンナーレのブータン出品作品をアジアフォーカス福岡国際映画祭で公式上映いたしました。観光コンベンション部においては、福岡トリエンナーレの作品展示や作家紹介をアジアンパーティで行いました。
 閉会後の検証についてですが、平成27年3月19日に第4回の実行委員会を開き、事業の総括を行っております。そこでは、デザイン、アニメーションなどの領域を取り込んだ内容や空港などでの館外展示、歌手を起用した広報などが新しい試みとして評価されました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 成功している他都市と比べて、トリエンナーレ本体への市のかかわりが余りにも弱過ぎると思います。広く市民に美術、芸術を楽しんでもらうための方策に局全体で取り組むべきだったと考えます。
 福岡の場合、なぜ来場者が2万人だったのかという反省も、まちの活性化や新しいコミュニティの誕生など、国際芸術祭の波及効果を見きわめることなく検証は終わっています。
 最初のほうでお答えいただいた、まちづくりと一体となった文化芸術の振興策の中で、福岡トリエンナーレはどのような位置づけになっていますか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡トリエンナーレは、平成25年6月策定の政策推進プランにおきまして、創造的活動の基盤となる文化芸術の振興の施策に位置づけられており、また、平成29年6月策定の政策推進プランにおいては、観光資源となる魅力の再発見と磨き上げの施策などに、福岡トリエンナーレを今後、発展、継承する形で整理されております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) お答えいただいたように、他都市と比べてトリエンナーレの位置づけが明確でないため、取り組みが市全体に及んでいませんでした。福岡トリエンナーレは、後から始めた他都市からお手本とされながら、また、内外から高い評価を得ていながら、アジア美術館の単なる一つの展覧会としてしか扱われてきませんでした。
 先ほど横浜市職員さんのお話に出ていた、ヨコハマトリエンナーレに貸し出されていた作品は何点で、どのような価値のあるものだったのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) ヨコハマトリエンナーレに貸し出したアジア美術館の所蔵品につきましては、映像作品5点となっております。いずれも、これまでの福岡トリエンナーレに出品さた作品であり、世界各地で高い評価を受けている作家の作品もございました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 開館から17年、アジア美術館での所蔵品はどのように収集され、何点ぐらいあるのか、また、その所蔵品の価値は現在どのように評価されているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) アジア美術館では、アジア美術の独自性を示すすぐれた近現代の作品を収集するという方針のもと、福岡トリエンナーレを含めた展覧会などを通じて作品を収集し、現在は2,900点を所蔵しております。
 所蔵品の現在の評価でございますが、これまでの展覧会などを通して若手作家の作品を購入してきましたので、作品によっては現在では100倍以上に値上がりしているものもございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) お聞きしたところによると、トリエンナーレ開催などで若手の作家から200万円ほどで購入した絵画が、現在では5億円の価値になっているそうです。アジア美術館の地道に積み重ねた交流人脈と価値を見きわめる確かな目は、福岡市の大きな財産の一つになっています。
 また、他都市がお手本とする大きな財産がもう一つあります。27年前、どこよりも早く福岡市のNPOが手がけた美術品のまちなかの展示です。まちとアートにかかわるミュージアム・シティ・プロジェクトによる展覧会、街の中の美術展がアーティスト、企業、行政の有志によって進められました。自治体補助金も入っての事業でしたが、どのような取り組みだったのか、お示しください。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) NPOが手がけた街の中の美術展につきましては、平成2年からミュージアム・シティ・天神として開催され、平成10年からはミュージアム・シティ・福岡という名称で開かれた展覧会でございます。イムズやキャナルシティ、商店街などの天神や博多の商業施設あるいは市役所や赤煉瓦文化館などの市の施設に美術作品を展示したもので、都市空間に作品を展示することで、現代アートになじみのない市民にも思わぬアートとの出会いをもたらし、まちの活気を醸成いたしました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 福岡を拠点に活動し、そのプロジェクトでも活躍したナウィン・ラワンチャイクン氏は、あいちトリエンナーレに招聘され、シャッター商店街をアートの力で奇跡的に再生させます。
 福岡のNPOの代表は、ヨコハマトリエンナーレに招聘され、アートの力で非合法な風俗店が立ち並ぶ一つのまちを奇跡的に再生させます。
 福岡の取り組みは、横浜、愛知に大きな影響を与えました。2020年に福岡市独自の文化芸術の魅力を発信するのであれば、アジア美術館とまちなか美術展の取り組みを再評価する必要があると思います。
 国際芸術祭とするならば、最低限取り組まなければならないものは何なのか、第三者を入れてしっかり再検証し、明確な方向性と目標を掲げるべきと考えます。そして、その内容は議会にも報告され、市民にも説明されるべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 高島経済観光文化局長。
○経済観光文化局長(高島 収) 福岡トリエンナーレの再検証につきましては、地域のまちづくりと一体となった今後の展開を進めていく上で、議員御指摘のとおり、大変重要であると考えております。
 再検証につきましては、福岡市文化芸術振興ビジョンの改定を進める中で、あわせて報告書として取りまとめ、議会を初め、市民の皆様にしっかりと御説明をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) よろしくお願いをいたします。
 今後、地方都市は、経済や政治だけが発展するのではなく、文化を取り込む懐の深い都市を目指すべきと思っております。
 文化芸術の振興による心豊かで活力あるまちづくりをどのように進めていかれるのか、高島市長の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
 
○副議長(石田正明) 高島市長。
○市長(高島宗一郎) 文化芸術は、市民一人一人の心豊かな生活の礎となり、人々の創造性を育むだけでなく、魅力ある都市づくりや都市の個性を形成する上でも大変重要であるというふうに考えています。
 このため、第9次基本計画におきましても、心豊かな文化芸術を楽しむまちづくりなどに加えまして、観光資源となる魅力の再発見と磨き上げを掲げ、これまでも先駆的で独自性の高い福岡トリエンナーレの実施や、美術館など文化芸術の拠点となる施設のリニューアル、クリエーティブな交流の舞台であるアジアンパーティの充実など、ハード、ソフト両面にわたって文化芸術を生かしたまちづくりに積極的に取り組んでまいりました。
 国におきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本の芸術、歴史、伝統などを生かした文化プログラムを全国で展開する方針を打ち出しております。その前年には、ラグビーワールドカップ2019が、オリンピックの翌年には、ここ福岡市で2021年世界水泳選手権が開催されます。福岡市といたしましても、この機会を捉えて福岡らしい文化プログラムを展開し、国内外に向けて積極的に情報発信に努めるとともに、本日、楠議員からいただきました御提案を踏まえ、関係部門との緊密な連携のもと、さらなる文化芸術を生かしたまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 次に、博多湾の環境保全についてです。
 以前に比べ、福岡の川がきれいになったように感じられます。
 下水道の整備が進み、ごみ投棄に対する規制や住民による清掃活動の成果であると思われます。しかし、博多湾の水の汚れはなかなか改善しないようです。ことしの7月は、赤潮が発生したためか、海水浴をされた方から水が濁っていたと聞いております。博多湾のような閉鎖性水域は水の交換が行われにくく、環境が悪化しやすいため、しっかりと環境保全に取り組んでいく必要があります。
 海の汚れは、水中に有機物がどれくらい含まれているかというCODという数値が使われますが、この値が大きいほど汚れているということです。家庭排水にも窒素やリンなど水を汚す物質が含まれ、これが海に流れていくことで湾内のCODも増加します。さらに、水中のプランクトンや藻が繁殖することでもCODが増加します。
 博多湾の昨年度のCOD、窒素、リンの数値は環境基準を達成していますか、経年の傾向もあわせてお尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 吉村環境局長。
○環境局長(吉村隆一) 平成28年度の博多湾の化学的酸素要求量、いわゆるCODにつきましては、西部海域及び東部海域では環境基準を達成しているものの、中部海域においては環境基準は未達成でございます。
 また、窒素及びリンにつきましては、全海域で環境基準を達成しております。
 COD、窒素、リンの経年の傾向につきましては、いずれの数値も近年は横ばいで推移をしておりますが、長期的には低減傾向にあり、特にリンにつきましては、CODや窒素と比べ減少幅が大きくなっております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) リンが減少した要因は何ですか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 吉村環境局長。
○環境局長(吉村隆一) リンにつきましては、博多湾の富栄養化による水質汚濁を防止するため、下水の高度処理の導入等の対策を実施してきた結果、減少したものと考えております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) お答えいただいたように、下水処理場の高度処理によりリンは大幅に減少しています。にもかかわらず、博多湾の汚れの数値、CODの経年的な改善度合いは小さく、いまだに全ての海域では、環境基準が達成されておりません。その要因は何なのか、また、リンの大幅な減少による環境への影響はないのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 吉村環境局長。
○環境局長(吉村隆一) CODの改善度合いが少ない要因につきましては、リンの減少の結果、冬場は赤潮の発生がほとんど見られなくなるなど、一定の成果があったものと考えられるものの、夏場は降雨時に河川からの流入がふえることなどによって、一時的にリンの濃度が増加して赤潮が発生するため、CODの数値が高くなっているものでございます。
 リンの減少による環境への影響につきましては、富栄養化が改善される一方で、冬場はノリやワカメの養殖に必要な栄養分であるリンの不足が懸念をされている状況にございます。以上です。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) それでは、平成28年度、博多湾内の赤潮の発生状況はどうだったのか、また、発生の要因は何なのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 吉村環境局長。
○環境局長(吉村隆一) 平成28年度の赤潮の発生件数は、5月から8月に9件、12月に1件の計10件、延べ発生日数は66日となっております。
 赤潮発生の要因につきましては、夏場の降雨時に陸域から窒素やリンなどの栄養塩が流入することによる海域の富栄養化と、水温や日射量の上昇とが相まって、植物プランクトンの密度が高くなることがその要因となっております。以上です。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) お答えいただいたように、下水道の普及による水質改善に加え、高度処理によって一定の水質改善が進んでいますが、今なお夏場の赤潮の発生、冬場のリン不足によるノリやワカメの色落ちなど漁業や養殖業といった水産業に悪影響をもたらしています。特に夏場の窒素もリンも含んだ水が問題のようです。その水はどこから海に流れ込んでくるのでしょうか。
 では、博多湾の水質に影響を与えている下水道について伺います。下水道の排水方法の仕組みをお示しください。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 下水道の仕組みにつきましては、合流式下水道と分流式下水道の2つがございます。
 合流式下水道は、家庭や事務所などから排出される汚水と降雨による雨水を1つの管に集め、下水処理場に送り処理する仕組みで、合流管1本の整備で済み、比較的少ない工事費で早く水洗化の普及ができることから、昭和40年代以前から下水道の整備に取り組んでいる大都市などで多く採用されております。なお、合流式下水道は、雨水も一緒に流すことから、下水処理場で処理できる水量に限りがあるため、一定以上の雨が降ると汚水まじりの雨水を吐き口施設から川や海へ放流する仕組みとなっており、下水処理場においては、ごみなどを除去し消毒を行った後に放流しております。
 一方、分流式下水道は、汚水と雨水を流す管をそれぞれ分けて整備することから、費用面では割高となりますが、汚水は下水処理場に送り、雨水は川や海に直接放流する仕組みとなっており、特に浸水対策事業として、豪雨時の貯留機能も備えた下水管渠の整備を行っております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 下水道には、合流式下水道と分流式下水道があるとのことですが、合流式下水道で整備された区域の割合はどれくらいですか、また、それはどこですか、お伺いをいたします。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 合流式下水道で整備された区域の割合につきましては、下水道整備区域全体の約15%となっております。合流式下水道の区域につきましては、天神周辺や博多駅周辺など、福岡市域の中でも早い時期に下水道の整備に着手した中心市街地に多くなっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 合流式下水道で整備された区域は、全体の約15%とのお答えでしたが、人口での割合はどうなるのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 合流式下水道で整備された区域の人口割合につきましては、下水道整備区域内人口の約25%となっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 合流式下水道で整備された区域が中心市街地であることから、面積ベースでは約15%でも居住者ベースでは約25%とのことです。さらに、この区域の就労者や観光客の来街者は23万人と聞いていますので、全ての人口を加えると60万人、福岡市の約40%が合流式下水道を利用していることになります。
 では、合流式下水道による博多湾への影響についてお聞きします。
 合流式下水道では、一定以上雨が降ると浸水対策のために汚水まじりの雨水を放流しなければならないと伺いましたが、その放流量は下水処理場において1年間どれくらいなのか、また、6月から9月までの放流量はどれくらいなのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 下水処理場であります福岡市の水処理センターにおいて、雨天時に処理能力を超える流入量となった場合には、ごみなどを除去して消毒する簡易処理を行い放流しておりますが、平成28年度の全水処理センターにおける雨天時の簡易処理による年間放流量は約670万1,900立方メートルで、このうち6月から9月の4カ月間の放流量は約425万1,600立方メートルでございます。
 なお、簡易処理による年間放流量は、全水処理センターの年間放流量約1億9,200万立方メートルの約3.5%となっております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 雨天時の処理場での簡易な処理の放流量は、1年間で約670万立米との回答でした。わずか15%の合流式下水道の区域からやって来る窒素やリンなど十分に処理できない汚水まじりの雨水は、ヤフオクドームを満杯にして4杯分となります。また、その6割が雨の多い6月から9月の夏場に集中しています。
 都市中心部はコンクリートに覆われているため、ほとんど雨は地下に浸透せず、短時間で下水管に集まってきます。
 それでは、雨の降る量と簡易処理で放流される量の関係について、雨量ごとに数量をお示しください。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 平成28年度の簡易処理による年間放流量約670万1,900立方メートルの内訳といたしまして、統計上区分が可能な1日当たりの降雨量別で集計いたしますと、1日当たりの降雨量が10ミリ未満で約83万9,100立方メートル、10ミリ以上20ミリ未満で約97万9,600立方メートル、20ミリ以上30ミリ未満で約76万4,700立方メートル、30ミリ以上で約411万8,500立方メートルとなっております。
 なお、簡易処理による放流量につきましては、短時間での集中的な降雨の影響を受けやすいことから、1日当たりの降雨量が10ミリ未満であっても一時的に水処理センターの処理能力を超え、簡易処理による放流を行うことがあるものでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) お答えをいただいたように、10ミリ未満の雨量であったとしても短時間に降れば、汚水まじりの雨水は処理能力を超え、簡易処理で博多湾に流されてしまいます。
 それでは次に、浸水対策として簡易処理もされずに汚水まじりの雨水が下水管から川や海に直接放流される仕組みがあるようですが、吐き口と呼ばれるその出口は市内に何カ所ありますか。また、その放流量はどれくらいなのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 合流式下水道区域における雨水の吐き口施設は市内に54カ所ございます。
 雨水の吐き口施設につきましては、堰を設けて、通常は川や海に流れない構造となっておりますが、降雨状況により下水管内の水位が上昇し、堰を超えた場合にのみ浸水対策として自然放流される仕組みであることから、放流量の計測はしておりません。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 急激に雨が降った場合は、下水管内にたまっていた汚濁物がまざるため、下水は水質が悪いまま川や海に流されるということです。自然に放流されるため、その量は計測されていないということですが、54カ所から放流される汚水まじりの雨水は処理されずに流されますので、現状把握するため計測されますよう要望しておきます。
 続いて、雨水への対応について伺います。
 分流式下水道の雨水管や浸水対策として整備された雨水調整池、雨水貯留管にたまった雨水はどのように排水していますか。また、その総量はどれくらいですか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 分流式下水道における雨水の排水につきましては、雨水管から川や海へ直接放流しております。
 また、浸水対策として整備した博多区の山王雨水調整池や、天神地区を含む雨水貯留管などの雨水貯留施設に一時的にためた雨水につきましては、次の降雨に備えるため、雨がやんだ後、放流先河川の水位等の状況を見ながら速やかに排水をしております。
 次に、これらの雨水貯留施設の総貯留容量は現在約10万立方メートル分の容量を整備しており、一部施設については排水ポンプの稼働時間等から試算は可能ですが、排水総量については把握しておりません。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 全てが直接博多湾に流れ込んでいき、その総量はわからないとのことですが、では、その雨水が博多湾の水質にどのような影響を及ぼしているのか、お尋ねをいたします。
 
○副議長(石田正明) 吉村環境局長。
○環境局長(吉村隆一) 雨水が博多湾の水質に及ぼす影響につきましては、降り始めの雨は地表の堆積物などを洗い流すことから、それが博多湾に流れ込むことで有機物や栄養塩等がふえる要因になることは考えられます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) お答えいただいたように、降り始めの雨が海や川の環境に大きな負荷を与えています。特に閉鎖性水域においては、その対策は急務です。ノンポイント対策と呼ばれ、各都市でも取り組みが始まり、初期雨水の貯留施設の整備が進められています。
 合流式下水道であっても分流式下水道であっても、短時間に降る雨が汚濁の要因となり、博多湾の水質に大きな影響を与えます。都市部に降る雨水の管理が博多湾の水質の鍵を握っていると言えます。
 その雨水の流出を抑制するため、公共施設の整備の際に雨水の貯留、浸透を行う福岡市雨水流出抑制指針が平成21年に策定されていますが、その実績と効果をお示しください。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 福岡市雨水流出抑制指針につきましては、平成11年6月と15年7月に甚大な浸水被害を受けたことから、公共施設での取り組みを進めるため、平成21年に策定し、各局と連携しながら水害に強いまちづくりを進めております。
 平成28年度末までの実績といたしましては、公民館や学校など54施設に雨水貯留施設が整備されておりまして、その効果として合計で最大約9,600立方メートルの貯留容量を確保しております。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 福岡市の進める雨水貯留、浸透の取り組みは、残念ながら浸水対策だけにとどまり、それを受けとめる容量は公共施設に限られ、小規模と言わざるを得ません。
 雨水を資源と捉えて適正な循環を促す雨水利用推進法が、公明党の推進により平成26年成立をしました。雨水は流すから、ためて使うという都市型の雨水管理を目指します。
 東京都墨田区では、条例と要綱を定めて、公共施設、民間施設にかかわらず、雨水をトイレ洗浄などに活用する貯留施設の整備を進めています。墨田区は、福岡市の6分の1の人口でありながら、地道な取り組みによって福岡市の2.5倍、約2万4,000トンの貯留施設が整備され、常にトイレ洗浄などに利用されています。福岡市の処理場から放流される簡易処理水は1日平均約1万8,000トンですから、墨田区の施設があれば簡易処理水を海に流さないでよい計算になります。
 福岡市雨水流出抑制指針は、今回の博多湾の水質保全にも寄与すると考えます。民間施設も含め、流出抑制をさらに推進していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 三角道路下水道局長。
○道路下水道局長(三角正文) 雨水流出抑制によって、浸水被害の軽減を図り、安全、安心のまちづくりを市民と共働で推進していくことは大変重要であると認識しております。
 このため、民間施設を対象とした雨水流出抑制施設助成制度を平成17年度に創設し、雨水貯留タンク等の設置に対する助成を行い、取り組みを促進しております。
 雨水流出抑制につきましては、浸水対策を初め、雨水の有効活用や博多湾の水質保全にも寄与するものではないかとの、ただいま楠議員からのおただしをいただきましたので、今後は関係局区で構成する福岡市雨水流出抑制推進会議などを活用し、公共施設だけでなく、民間施設への雨水流出抑制施設の普及促進についても検討するなど、雨水流出抑制のさらなる推進に取り組んでまいります。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) よろしくお願いをいたします。
 海外では、下水処理水を再利用し農業などに活用しています。放流水には大量の肥料分が含まれ、土づくりの必要のない黄金の水とも言われています。
 放流水を利用し、活性炭の原料となるシュロガヤツリの水面栽培では、植物成長も水質の向上もともに高い効果を上げていると聞いています。唐津市での実績もあるようですので、博多湾の水質保全のため、そのような技術の活用についても検討を行っていただきたいと要望いたします。
 これからの博多湾の環境保全は、雨水の管理や処理水の農業への利用など、多くの市民や事業者が博多湾に関心を持ち、全市的な取り組みを行っていくことが必要なのではないでしょうか。
 福岡市では、昨年度、第2次博多湾環境保全計画を策定されており、これを着実に進めていかなければならないと考えております。
 最後に、博多湾の環境保全に向けた今後の市長の決意をお伺いして、この質問を終わります。
 
○副議長(石田正明) 高島市長。
○市長(高島宗一郎) 福岡市は、豊かな自然とコンパクトに集約された都市機能が共存する魅力的で住みやすいまちとして内外から高い評価を受けております。
 福岡市の豊かな自然の象徴の一つである博多湾は、干潟や藻場、浅瀬などを有し、多様な生き物が生まれ育つ場であるとともに、海水浴や潮干狩りを楽しむことができる身近な市民の憩いの場として利用されています。
 この貴重な博多湾の環境を守っていくため、下水道の整備や改善による水質の保全や、市民の皆様が安心して海水浴などを楽しめる親水空間の創出など、さまざまな視点から環境保全に取り組んでいくことは福岡市の重要な責務であるというふうに考えています。
 平成28年度に策定いたしました第2次博多湾環境保全計画に基づき、市民、NPO、民間事業者などさまざまな方々と連携、共働しながら、福岡市民の財産である博多湾を次の世代に引き継いでいくため、環境保全対策を着実に進めてまいります。以上です。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 次に、障がい者差別解消条例の原案についてです。
 いわゆる差別解消条例の原案が作成され、12月、今議会に報告をされます。
 この条例は、国の障害者差別解消法を受けて、本市が制定を進める条例であり、我が会派は本年3月議会の代表質問で、障がい者の社会参加にとって障壁となる事柄を可能な限り取り除く配慮の規定が必要であると訴えました。
 また、条例制定に向けて、障がい者に対する差別の実態を市民が知ることから始めるよう主張し、その上で必要な手助けを行う合理的配慮、障がいへの理解促進、相談体制の構築を主な柱として具体的な施策が条例には定められるべきであると要望いたしました。
 これに対して高島市長は、条例制定に向けて障がいのある人を交えたタウンミーティングを開催する開催する意向を示した上で、市民一人一人が差別解消へ何ができるかを実感できるよう理解の促進に努めていくと答弁されています。
 まず、どうしてこの条例が必要なのか、つくられる目的をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 条例を制定する目的につきましては、まず、障がいを理由とする差別を解消することは、障がい者の人権の観点からも、今後施策を進める上で最優先に取り組むべき課題であること。また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、福岡市による相談対応に加え、助言、指導、勧告の実施などを条例に盛り込むことで法の実効性を高める効果が期待できること。さらには、福岡市が市政の柱の一つとして推進しているユニバーサル都市・福岡にふさわしい効果的な施策を実施することにつながることなどから、条例制定に向け取り組むこととしたものでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) この条例は、障がいを理由とする差別の解消の推進に向けた基本理念を明らかにし、障がいの有無にかかわらず、全ての市民がかけがえのない人間として認め合い、尊重される地域社会の実現を目指すものです。そのために、福岡市の責務や事業者、市民の役割を明らかにするなど施策の基本となる事項が規定されています。
 今回の条例原案はどのような会議を経て作成されてきたのか、経緯をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) これまでの検討経緯につきましては、平成28年度に有識者4名及び福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会のメンバー5名を含む障がい当事者6名及び事業者3名、その他市民等5名から構成する条例検討会議を設置し、平成28年8月から29年3月までの間に計8回開催し、検討会議としての条例原案を取りまとめていただきました。
 その後、条例検討会議の条例原案をもとに、本年9月から11月の間に開催した福岡市保健福祉審議会障がい者保健福祉専門分科会で御議論をいただき、所要の修正を行ったところでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 市民の代表の方々も入った条例検討会議において、我が会派が主張していた障がい者に対する差別の実態を知る機会はあったのでしょうか。差別体験のアンケート事例などが提示され議論されたのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明)永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者差別禁止条例をつくる会により実施された差別体験のアンケートにつきましては、第1回の条例検討会議におきまして、同会のメンバーである委員から資料配付され、障がいを理由とするさまざまな差別の実態があることの説明が行われ、条例検討の議論がなされたところでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 1,148名の福岡市在住差別体験アンケートの結果から浮かび上がってきたのは、日常的に生活のあらゆる面で差別に直面していることでした。とりわけ業務として障がい者に接している福祉窓口担当者、施設職員などからの差別事例が幾つも報告されており、このことは見逃すことができません。
 このような事例を検討会議で検証し、差別をなくし権利を守り合うことによって、よりよい地域社会をつくることが条例制定の目的です。
 さきに条例を制定してきた、さいたま市、新潟市、仙台市などでは、行政みずからが障がいを理由とする差別のアンケート調査を行い、その実態を検証した後、原案づくりに入っております。
 市長が我が会派の代表質問で約束していただいた、障がいのある人を交えたタウンミーティングはいつ開催していただけるのか、お尋ねいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) タウンミーティングにつきましては、条例原案のパブリックコメント実施予定期間でございます平成30年1月22日から2月23日に合わせ2月上旬に開催する予定でございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 市長は、差別や合理的配慮の具体例を紹介しながら条例制定に向けてタウンミーティングは開催すると回答されていましたので、それは原案が作成される前に開催されるべきだったと思います。
 検討会議の何人かの委員さんにお話を伺いましたが、条例の項目、中身の話がいろんな分野に広がってしまい、条文の細かいところまで思考をめぐらすことができなかったと残念な思いを当時述べられていました。
 原案が作成された条例検討会議が終わった後でも、つくる会の方々が提出し続けた要望書がそれを物語っています。
 要望書はどのような内容で、どのような対応がなされたのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 要望の内容につきましては、条例のマニュアル作成やタウンミーティングの企画、実施について、障がい者差別禁止条例をつくる会と協議をしながら進めていくことや、条例の内容について、何人も障がいを理由とする差別を行うことを禁止する旨を規定すること、また、事業者の合理的配慮について、法的義務を負う旨を規定することなどでございました。
 このため、条例検討会議の取りまとめの趣旨を踏まえつつ、障がい者差別禁止条例をつくる会からの要望内容も勘案して条例原案を一部修正し、福岡市保健福祉審議会の障がい者保健福祉専門分科会に提出したところでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 要望書は3回提出されましたが、何人も障がいを理由とする差別を行うことを禁止する旨の規定や合理的配慮の促進など、つくる会の方々の思いが全て原案に反映されるまでには至りませんでした。
 我が会派は条例には、社会参加に際して障壁となる事柄を可能な限り取り除くための配慮が盛り込まれるべきと訴えてきました。条例は、罰則強化が目的ではなく、差別に対する規範性が示されることであり、行政サイドの覚悟も求めてきました。
 合理的配慮の提供、差別の解消に対する条例の基本理念の規定が原案にはどのように記述されていましたか、お尋ねをいたします。
 また、その原案は、障がい者保健福祉専門分科会で審議されたわけですが、どのような意見、議論が出されたのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 合理的配慮に関する基本理念の規定につきましては、障がい者保健福祉専門分科会に提出いたしました条例原案では、何人も、社会的障壁の除去のためには、合理的配慮の促進が必要であることを認識し、その理解を深めていくこととしておりました。
 同専門分科会におきましては、条例のメッセージ性を強めるため、基本理念を独立の章として規定することや、何人もとして、合理的配慮の不提供を禁止する規定にすべきとの御意見がございました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 専門分科会での意見を踏まえ、原案はどのように修正されたのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 合理的配慮に関する規定につきましては、障がい者保健福祉専門分科会の御意見を踏まえ、まず、条例のメッセージ性を強めるため、基本理念の章を独立して規定いたしました。その上で、基本理念において、不当な差別的取り扱いの禁止に加え、合理的配慮の不提供の禁止の趣旨も含めた表現として、何人も、障がいを理由とする差別により障がい者の権利利益を侵害してはならないことといたしました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 専門分科会に提出された原案には、差別に関する相談のうち、差別の解消が進まないときには、市長に対して指導、助言を求めることができる申し出の制度が記述されています。しかし、それは民間事業者の差別事案に限られており、行政による差別事案は解決のための申し出をすることができません。
 先ほど御紹介した福祉窓口や施設職員からの差別事案は、この申し出ができる中から除外されています。他都市の条例の中には、そのような行政による差別事案の除外などはありません。
 また、福岡市は申し出を審査し、さらに進む審査会の委員に障がい者の代表が任命されるという決まりもありません。差別事案発生の場合に備えて、相談、助言の仕組みを規定したこの原案は2回の専門分科会でどのような意見、議論が出されたのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 障がい者保健福祉専門分科会におきましては、相談の段階で解決しなかった場合に、事業者による差別事案だけを市長の指導、助言を求める申し出の対象とすることは妥当ではなく、行政による差別事案も含めるべきであるとの御意見や、福岡市が差別を行った場合に公表するかどうかの規定がないことを指摘する御意見がございました。
 また、正当な理由なく福岡市の指導、助言に従わない事業者に対し勧告を行うべきかどうかを審議することとなる障がい者差別解消審査会の委員に障がい者を含めるべきなどの御意見がございました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 専門分科会での意見を踏まえ、原案はどのように修正されたのか、お伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) まず、相談、助言の仕組みに関する規定につきましては、市長が市に対して指導を行うことは不合理であるため、事業者による差別事案を市長への申し出の対象としておりましたが、障がい者保健福祉専門分科会の御意見を踏まえ、市による差別事案に関する申し出の場合は、市長に必要な措置を講じることを求めると規定することで、申し出の対象を事業者による事案に限定しないことといたしました。
 また、条例制定により設置を予定している障がい者差別解消推進会議の所掌事務として、市による差別事案に関して、その事実を公表することを市長に対して求めることが含まれる旨を追加したほか、障がい者差別解消審査会の委員に障がい者を含めることを規定いたしました。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 専門分科会の意見、議論を踏まえて、何度も修正が加えられました。その結果、障がいのある人に寄り添える条例原案になったのではないかと思います。担当職員の方々、御苦労さまでございました。
 今回の条例原案には、国が制定した障害者差別解消法には盛り込まれていない福岡市条例の独自の規定が幾つかありますが、それを紹介してください。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 障害者差別解消法に盛り込まれておらず、福岡市の条例原案にある規定といたしましては、障がい者と障がい者でない者の交流の推進に関する規定や、財政上の措置を講ずる旨の規定、合理的配慮に関して功績のあった者に対する表彰の規定、また、相談体制について、整備するだけではなく充実を図ると規定していることや、障がい者差別解消推進会議と障がい者差別解消審査会という2つの附属機関を設け、紛争解決の仕組みを厚くしていることなどが挙げられているところでございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) 福岡市の条例原案で特徴的なものは、差別に関する相談体制の規定であろうと思います。その規定で大きな役割を果たす福岡市障がい者差別解消推進会議は、差別解消の全体的な取り組みの中でかかわりが深くなります。相談で上がってきた事例解消のための協議や、差別をなくすための取り組みを担う人材育成、研修のあり方など必要不可欠なものを細則などに明記し、条例の実効性を高めておくべきと考えます。
 また、第13条での合理的配慮をすることに関して功績のあった者に表彰を行う規定でも、好事例として市民に幅広く広報するための手段を具体的に記述しておくべきと考えます。当局の御所見をお伺いいたします。
 
○副議長(石田正明) 永渕保健福祉局長。
○保健福祉局長(永渕英洋) 相談体制の具体的な運用や、障がい者差別解消推進会議の機能、合理的配慮の表彰、広報などにつきましては、条例の制定後も障がい者団体等の御意見を伺いながら、規則等で定めてまいりたいと考えてございます。以上でございます。
 
○副議長(石田正明) 楠正信議員。
○24番(楠 正信) よろしくお願いをいたします。
 この条例は、合理的配慮の提供に関して行政にも民間事業者にも手厳しい条例内容となりました。行政の覚悟を示した財政上の措置を条文に書き込んだのは政令市では初めてとなります。今後、条例が施行された後は、条例の実効性が問われていきます。また、3年ごとの条例改正も確実に進めていくべきと考えます。
 障がいのあるなしに関係なく、全ての市民がかけがえのない人間として認め合い、安心して生活のできる地域社会の構築をどのように進めていかれるのか、高島市長にお伺いして、私の質問を終わります。
 
○副議長(石田正明) 高島市長。
○市長(高島宗一郎) 障がいの有無にかかわらず、全ての市民がかけがえのない個人として尊重され、安心して生活できる地域社会の構築に当たりましては、障がいに対する理解が促進されることが重要であり、福岡市、事業者、市民が一体となって取り組んでいく必要があります。
 このため、障がいのある方はもちろん、有識者、民間事業者、市民などからのさまざまな御意見、障がい者保健福祉専門分科会による熱心な御審議をいただきながら、障がいを理由とする差別解消条例の検討を進めているところでございまして、今後はパブリックコメントを経て、保健福祉審議会や議会の御意見を踏まえながら条例案を策定していきます。
 障がいのある方が地域で生活するさまざまな場面において、何かお手伝いすることはありますかと自然に声をかけられる心の広がりが大切でありまして、ユニバーサル都市・福岡のまちづくりの精神が市民全体で共有されるようにしっかりと取り組んでまいります。以上です。
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